読谷(ソフトボール)猛攻コールド 近畿総体第14日


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2回戦 読谷―若葉総合 6回、小板橋哲(12番)の満塁弾でコールド勝ちを決めて喜ぶ読谷の選手たち=10日、滋賀県の守山中学校グラウンド(普久原裕南撮影)

 【近畿総体取材班】全国高校総合体育大会「君が創る近畿総体」第14日の10日は滋賀県など4府県で行われ、県勢は6競技に出場した。ソフトボール男子の読谷は若葉総合(東京)と2回戦を行い、11―4の六回コールド勝ちでベスト16入りを決めた。

自転車競技のロードレースでは當原隼人(与勝)が13位、新城銀二(八重山)が17位に入った。柔道は女子団体の沖縄尚学が初戦と2回戦を勝ち上がり、ベスト16に駒を進めた。男子100キロ超級の照屋祐(沖縄尚学)はベスト8入りしたが、準決勝進出は逃した。

◆小板橋 満塁弾で決着
 大きな弧を描いた打球が、歓声と共に左翼へと吸い込まれた。読谷の小板橋哲が7―4の六回に満塁本塁打を放ち、コールド勝ちを決めた。前の回に守備から途中出場し、公式戦初の本塁打が全国舞台でしかも満塁弾。「最高です」。顔いっぱいに笑みが広がった。
 一回にエラーから2点を先制されたが焦りはなかった。相手投手はストライクが明確で、強打が売りの読谷にとって怖い相手ではない。二回、1死二、三塁から8番宮平大河の二塁打で同点とし、さらに2点を追加。三回には與那覇大成と宮平の連打で2点を奪い、これで流れは完全に読谷のものだ。宮城誠輝監督が「上位打線が力んでいたから7、8番に『お前たちがキーマンだ』と言っていた」と語る読み通りの展開。最後はばてた相手投手が四球で崩れたところを、小板橋の一発で仕留めた。
 普段の練習後や、遠征先で自主的に素振りをして打撃を磨いてきた。3打点の宮平はこの日も朝4時半から30分間バットを振ったという。2試合連続の逆転勝ち。理想はもちろん先手を取って勝ち切ることだが、宮平が「こういう勝ち方も悪くないですね」と笑うように、いまの読谷にはどこか独特の雰囲気がある。
 春の全国選抜大会は準決勝でサヨナラ負け。宮城監督は「春は4強の時点で肩の荷が下りた感じだった。今は勝とう、勝とうという意識がある」と言う。11日は3回戦と準々決勝が行われる。28年ぶりの県勢制覇へ、勢いを加速させたい。(大城周子)