総務省が1977~2009年度まで日本戦災遺族会に委託して作成した「全国戦災史実調査報告書」に沖縄戦の被害が盛り込まれていないことについて、同省の担当者は11日、琉球新報の取材に「詳しい理由は分からない。理由を調べる予定も今のところない」と語った。
77年度の調査に関しては空襲被害の調査であることから、担当者は「沖縄戦は地上戦があり、空襲の被害と地上戦による被害の区別ができないためではないか」と沖縄戦の被害が盛り込まれなかった理由を推測した。それ以外の学童疎開や戦災孤児などさまざまな項目の調査でも沖縄が省かれている理由は不明だとした。
問題の経緯などを調べている仲村未央県議(社民護憲)は「地上戦だから調べなかったというのは、政府として沖縄戦の被害は関知しないと言うに等しい。党の国会議員を通じて質問主意書を出すなどし、理由を問いただしたい。『分からない』で済む問題ではない」と問題視した。