県高校新人野球 八重山が初優勝


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興南―八重山 7回裏でだめ押しの適時打を放つ八重山の代打・福島英泰=12日午後2時45分、名護市民球場(金城実倫撮影)

 高校野球の第42回県新人中央大会最終日は12日、名護市営球場で決勝と3位決定戦を行った。決勝は八重山が興南を5―2で破り、初優勝を飾った。今大会の4強には24日から3日間開催される県秋季大会のシード権が与えられる。

◆八重山・先発新里 相手ミスから逆転 再三のピンチ脱する
 優勝を決めた瞬間、八重山の選手は石垣島からの応援団と共に飛び跳ねて喜んだ。八重山勢の優勝は第31回大会の八重山商工以来11年ぶり2度目だ。
 二回に先制されたものの、相手のミスから得点を重ねて逆転に持ち込み、そのまましぶとく逃げ切った。
 先発の新里光平は何度も得点圏へ走者を出すピンチに立たされながらも、最速137キロの直球とカーブ、スライダー、チェンジアップを投げ分けて六回まで1失点に抑えた。新里は「(走者を出して)足を引っ張ったが、監督から『強い気持ちを持っていけ』と励まされた。仲間の守備を信じた」と振り返る。
 八重山の1年生・9番伊志嶺瑠希のバットが逆転のきっかけをつくった。6回、左翼手の頭上を越える2塁打を機に興南の先発・上原麗男、2番手・崎原大輔の制球が乱れた。八重山はこのチャンスを逃さず、2点を加点した。
 七回も1死から伊志嶺の二遊間を抜ける安打や代打・福島英泰の適時打で2点、試合を決定づけた。伊志嶺は「先輩に助けられながら思いっきりプレーできた。チームでつなぐバッティングを意識した」と勢いをそのままに秋季大会は「決勝以上」との目標を掲げた。(長濱良起)

◆好機に打てず集中力課題に 興南、秋の大会視野
 「チャンスの場面での一本が出なかった」と興南の主将・上門洸輝は淡々と悔しさをにじませた。
 四回に無死満塁の好機を迎えたが、走塁との連携ミスや三振などで得点に結び付けることができなかった。以降、七回まで毎回得点圏に走者を進めたが、3番比嘉遙の犠飛で1点を返すのが精いっぱいだった。
 11日、夏の甲子園で粘りの末に逆転勝利を果たした興南高校の先輩に今日の試合を重ね「先輩の集中力を見習わなければ」と秋の大会に向け課題を乗り越える覚悟だ。