悲しみ繰り返さない 東村で20年ぶり戦没者慰霊祭


社会
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20年ぶりの村主催の慰霊祭で、太平洋戦争で亡くなった家族などの鎮魂を願う東村村民ら=14日、東村平良

 【東】東村は14日午後、太平洋戦争や沖縄戦で死亡した村民を悼む慰霊祭を村役場近くの慰霊の塔で実施した。村主催の慰霊祭は1995年以来20年ぶり。戦後70年の節目を迎え、戦争の悲惨さと平和の尊さを次代に継承する目的で開かれた。村内の中学生らが献花後、各区や団体の代表をはじめ、村民らが焼香した。

 慰霊祭では戦没者の鎮魂を願う黙とうの後、伊集盛久村長が「悲しみの歴史を繰り返さぬよう、子々孫々恒久平和を築いていく」と決意を語った。
 遺族代表の金城昂(あきら)さん(86)は、平和憲法が揺らぐ政治情勢や米軍基地が集中する沖縄の現状を批判し「この戦没者の碑が東村の平和のシンボルとして長く輝くよう願う」と述べた。
 村によると、太平洋戦争では村民634人が亡くなった。沖縄戦中、本島北部は地元住民や日本兵だけでなく中南部の疎開民も山をさまよい、食糧難に陥った。【琉球新報電子版】