若い感性で平和表現 名護高生・緑風学園、戦争の不条理訴え


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大型紙芝居に見入る観客=13日、名護市役所久志支所ホール

 【名護】「20万人余の犠牲者を出した沖縄戦から70年。若い感性が表現する戦争のない平和な世界への思いとは」をテーマに、「戦後70年企画事業~語り継ぐこと~」(久志支部区長会、名護市役所久志支所主催)が13日、久志支所ホールで開催された。

 初めに、緑風学園の7、8、9年生67人が合唱し、平和へのメッセージとして「プレゼント」「With You Smile」の2曲を静かなハーモニーで披露した。
 続いて、スクリーンを利用した大型紙芝居「六月がくるたびに」が上演された。
 沖縄戦で足に被弾した少女の物語。宮里健一郎さん(74)の歌・三線(屋嘉節)をバックにした宜野座久子さん(なご民話の会)の切々とした語りに、会場は水を打ったようだった。
 最後は名護高校演劇有志の会による演劇「僕らの生きる意味」。演技や映像・ナレーションで、16歳で鉄血勤皇隊の一員として非業の死を遂げた三中生(名護高校の前身)「シゲル」を、現代の名護高生「シゲオ」に憑依(ひょうい)させることで、戦争の不条理を訴える物語。斬新なアイデアで若者の感性を表現した。
 シナリオを書いた比嘉恵利花さん(3年)は上演に先立ち「この戦後70年企画に名護高校を選んでいただき、ありがとうございました」とあいさつした。
 合唱した緑風学園9年生の松野功之介君(15)は「おじい、おばあたちの命のつながりがあったからこそ、今このステージに立てた」と“命のリレー”に感謝した。
 合唱に参加し演劇なども見ていた宮里ガイア君(14)は「自分は戦争を知らないが、このような催し物を通して戦争の悲惨さを体験していくことが大切と感じた」と話した。
(嶺井政康通信員)