琉球デイゴス頂点 美里高に3―2 県女子サッカー


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決勝 琉球デイゴス―美里高 後半31分、同点ゴールを決め喜ぶ平安山瑠衣(右)ら琉球デイゴスの選手たち=30日、西原町民陸上競技場(金城実倫撮影)

 サッカーの九州女子選手権県予選を兼ねたJAおきなわ杯争奪第25回県女子選手権大会最終日は30日、西原町民陸上競技場で決勝を行い、琉球デイゴスが3―2で美里高を下して頂点に立った。

琉球デイゴスは皇后杯全日本女子選手権出場の懸かる九州女子選手権(10月10~12日・鹿児島県)へ推薦される。

▽決勝
琉球デイゴス
3―2(0―2,2―0,延長0―0,1―0)
美里高
▽得点者【琉】平安山(前12分)平安山(後31分)伊井(延後8分)【美】仲井間(前2分)比嘉(前12分)

◆平安山、殊勲の2発/流れ変え、勝利呼び込む
 琉球デイゴスは2点差の劣勢をひっくり返し、延長後半に決勝ゴール。又吉浩樹監督は「気持ちの問題。諦めなければやれるという勉強になった」と苦戦からの収穫を口にした。
 士気を高めきれていないのか、チームは立ち上がりから落ち着かなかった。相手を簡単にフリーにし、前半2分、12分と立て続けに失点した。嫌な流れを断ち切ったのは、前半途中から投入された平安山瑠衣だ。けがから復帰したばかりだが気合にあふれ「空気を変えてやろうと思った」。後半12分、相手GKへのパスに鋭く詰め、こぼれた球をつま先で押し込んだ。
 これを機にペースはデイゴスに渡る。3トップの中央で平安山が相手を引きつけ、守備ラインの裏を狙ってサイドから何度もチャンスをつくった。終了間際、クロスに平安山が頭で飛び込んで同点弾。延長の後半8分、白土莉那のCKを伊井清乃がどんぴしゃりの頭で合わせ勝負を決めた。
 なでしこリーグ参入を目標に昨年発足したチームはまだ発展途上だ。この日は土壇場で底力を見せ、30歳のベテラン伊井は「若い子たちにとっては苦しい時間帯を乗り切るいい経験になったと思う」と言う。「最初は『九州』が目標だったけど今は『全国にいく』という言葉を掲げている」と平安山。夢に一歩でも近づけるよう、10月の九州舞台に臨む。(大城周子)