譜久山さん資格取得 ボート競技 国際審判員


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ボート競技の国際審判員の資格を取得した譜久山明子さん(中央)=8月22日、埼玉県(提供)

 宜野湾市出身の譜久山明子さん(35)=島尻特別支援学校教諭=がことし8月、ボート競技の国際審判員資格を取得した。今後はアジアの大会などで経験を積み、世界選手権やオリンピックなどに審判員として参加することを目指す。

日本ボート協会によると、九州地区で国際資格を取得したのは譜久山さんが初めて。国内には16人の国際審判員がいて、女性では譜久山さんが3人目の取得者となった。
 沖縄から全国へ、そして世界へと着実に階段を上がっている。県内大会や九州大会に参加できるC級の資格を取得したのは2004年。「全国にも行ってみたい」との思いから、全国大会の審判ができるB級の資格を11年に取った。「大会でレースを運営して、全国の審判仲間や選手たちと交流できることが魅力です」と瞳を輝かせる。国際資格の取得を決意したのは先輩審判員との会話がきっかけだった。「アジアに近い沖縄から(国際資格に)チャレンジしてほしいと言われて、自分の世界観も広がると感じた」と振り返る。
 普天間高校時代は選手としても活躍した。大学時代は競技から離れたが、「選手時代にいい経験をさせてもらった。何らかの形で恩返しがしたい」との思いから再び競技に携わった。審判として心掛けているのは「正確なルールと情報を選手に伝えること」。真剣勝負のレースで勝敗に関わる判定を下すことに難しさも感じているが、「公平なジャッジをして誰からも信頼される審判になりたい」と誓いを込める。
 国際審判員として、今後はアジア地域の大会などで経験を積むことになる。オリンピックはベテラン審判員が中心となるため、20年の東京五輪には「ボランティアとして関われたら」と思っている。そして「いつかはオリンピックの審判をやってみたい」と将来のビジョンを描く。「まだまだ経験が足りないのでもっとスキルアップします」。世界の大舞台を目指して、これからも成長を続けていく。
 (平安太一)