那覇西B400R大会新 県高校対校秋季陸上


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 陸上の第30回県高校対校秋季大会初日は5日、県総合運動公園陸上競技場で行われた。400メートルリレーの男子は那覇西B(川田純平、津波響樹、目取眞剛、下地伸征)が、女子は中部商B(具志堅美織、平良さき、砂川ゆり、岩永梨沙)がそれぞれ大会新記録を樹立して頂点に立った。

男子走り幅跳びでは津波が、女子100メートルでは岩永が大会新記録で栄冠を手にした。

◆楽しんで頂点/中部商B
 3年生メンバーで構成された中部商B(具志堅美織、平良さき、砂川ゆり、岩永梨沙)がテーマに掲げたのは「楽しんで走ること」だった。今大会のために結成されたチームで、同じメンバーで走るのは最初で最後になる。「練習よりも一番いい走りだった」と言う決勝で大会記録を塗り替え、「楽しかった」と口をそろえた。
 予選から大会新記録を樹立して好スタートを切った。決勝のライバルは1~2年生がメンバーの中部商Aチームで、岩永は「気持ちで負けない」と気合を入れた。1走の具志堅は「緊張もしなくて楽しかった」と快調な滑り出しを見せ、1年の県総体以来のリレーに挑む2走の平良は「久しぶりに100メートルを全力で走った」。
 中盤まで競った展開になったが、3走の砂川は「バトンを受け取ったときに絶対に抜こうと思った」と気持ちを込め、アンカーの岩永は「みんながつないだバトンをゴールに運ぶだけ」と全力疾走した。
 大会に向けた練習は数回しかできなかっただけに、平良は「こんなに記録が出るとは」と驚いた様子だ。岩永は「1~2年のチームは実力があった」と後輩の力走をたたえ、「あのメンバーなら県記録も更新してインターハイの決勝進出もやってくれるはず」と期待を込めた。
(平安太一)

◆他を圧倒「次は県記録」/那覇西B
 大会記録を塗り替える結果にも、那覇西B(川田純平、津波響樹、目取眞剛、下地伸征)は満足していなかった。「県記録を狙っていたので出せなかったことは悔しい」。レースを終えたメンバーの胸中には同じ思いがあった。
 全員が短距離競技で実績を残しており、下地は「走力では県記録を狙える」と確信している。課題となっているのはバトンパスだ。予選では受け渡しのタイミングで失速し、目取眞は「きれいに(バトンを)流すことができなかった」と振り返る。それでも予選から大会記録を上回る記録を残し、高い実力を見せつけた。
 決勝に向けて「予選のいい部分や悪い部分をみんなで話し合った」と目取眞は言う。スタート直後から圧倒的な速さで後続を引き離し、独走状態でゴールを駆け抜けた。1走の川田は「予選よりいい走りができていた」とうなずき、100メートルでも頂点に立った2走の津波は「絶対周りに負けたくなかった」と全力を出した。
 同じメンバーで11月に開催される秋季記録会にも出場する予定で、「次こそは県記録を出す」と目標を掲げる。下地は「走力とバトンワークを向上させたい。県記録を出すのは自分たちだ」と表情を引き締めた。(平安太一)

男子400メートルリレー決勝、那覇西B3走の目取眞剛(右)からバトンを受け取るアンカーの下地伸征(屋嘉部長将撮影)
女子400メートルリレー決勝、3走の砂川ゆり(右)からバトンを受けて走りだす岩永梨沙=5日、県総合運動公園陸上競技場(屋嘉部長将撮影)