沖縄観光リピーター、土産購入鈍く 県14年度調査


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 沖縄県文化観光スポーツ部が2014年度に実施した「観光土産品トレンド等調査・支援事業」の報告書がこのほどまとまり、沖縄観光のリピート率が高くなるほど土産品の購入率は低下することが国内観光客へのニーズ調査から浮き彫りになった。報告書では他府県の土産・工芸品ブランド戦略を紹介しながら、ちんすこうや紅いも菓子に続く新たな定番土産を開発する必要性を提起している。

 同事業は沖縄を訪れる観光客1人当たりの土産品消費額が減少傾向にあることを受け、観光客の土産品需要や、県外訪問時の手土産としての県民の購買動向を把握するためアンケートを実施した。
 調査に回答した国内観光客のうち、調査時の沖縄旅行で土産品を購入した割合は93・8%だった。これを3年以内の訪問回数別で見ると、沖縄を初めて訪れた観光客の95・9%が土産品を購入したのに対し、2~3回目の訪問者は95・6%、4~5回目は94・4%、6回以上になると83・8%まで低下した。
 購入した土産品は1位の「ちんすこう」(62・8%)と2位の「紅いもタルト」(54・2%)が群を抜く。一方で、3位の「黒糖菓子」(23・4%)や「泡盛」(15・4%)の購入率は訪問回数に関わらず一定の割合だが、ちんすこうと紅いもタルトは訪問回数が多いほど購入率が低下する傾向にある。
 報告書では「沖縄観光のリピーターが増えるほど1人当たり購入額も低下する結果になった」と分析し、リピーター向けの新たな土産品開発の必要性を強調した。その上で、観光消費額を伸ばす視点から、土産品購入に使う金額が高い傾向のある「30代以降の女性」をターゲットにした開発の方向性を提起し、(1)個包装(2)おしゃれ感(3)高級感-をキーワードに挙げた。
 また、県外に行く県民の90・2%が手土産を持参し、そのうち56・9%が毎回違うものを購入している調査結果にも注目。「地元に住んでいるがゆえに新たな商品や珍しい商品を知っている人が多く、県民が土産品のトレンドを生み出す可能性もある」として、観光客のニーズを見ても地元に受け入れられる商品が新定番につながると指摘した。