知念、延長制す 県秋季高校野球第1日


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向陽―知念 延長15回知念2死一、二塁 相手の失策で二走・山城響(右)が決勝のホームを踏む=12日、沖縄セルラースタジアム那覇(屋嘉部長将撮影)

 第65回県高校野球秋季大会は12日、沖縄セルラースタジアム那覇などで開会式と1回戦6試合を行い、開幕した。知念は向陽を延長十五回の末に6―3で下した。前大会の覇者・中部商は8―4で球陽を下した。

そのほか、宜野湾、コザ、北部農林、那覇西が勝ち上がった。13日の第2日は1回戦8試合を行う。開会式で球児たちが入場行進を行い、与勝の宮城太賀主将が「これまでの先輩たちに負けないよう、新たな歴史をつくる挑戦者として全力でプレーする」と選手宣誓した。大会には南部商と南部農林の合同チームを含む61チームが出場し、頂点を目指す。上位2チームは来春の選抜大会出場への参考資料となる九州地区大会(鹿児島・10月24~29日)に派遣される。決勝は日程が順調に進めば、10月4日午後1時から同球場で行う予定。ただ興南が和歌山国体・高校野球硬式の部(9月27~30日)にも出場するため、興南の勝ち上がりによっては決勝が10月10日にずれ込む。

◆知念 ピンチしのぎ好機生かす
 互いに好機をつくりつつも、あと1本が出ないまま知念と向陽の試合は延長に突入した。この回で決まらなければ再試合となる延長十五回。知念は1死から4番の山城響が右前打で出ると、5番宮城光和も右前にしぶとく運んでチャンスを広げた。
 続く打者が三振で倒れ、2死一、二塁で7番の主将・當山全寿が打席に立つ。「勝つためにはここで1点取るしかない」と振り抜いた強いゴロは相手一塁手の後逸を誘った。二走の山城が一気に本塁へかえり、決勝点をもぎ取った。
 知念は延長突入後、数々のピンチを守備でしのいだ。十三回1死二塁、相手4番知念快の打球が二走の本塁突入を防ごうと前進していた中堅手・玉城嗣也の頭上を襲う。「頭が真っ白になった」が体が反応した。必死で背走し、ダイブするとボールをグラブの中に収めた。
 仲與根清十郎監督が「抜けていればサヨナラ負け。さすがチームで一番頼りになる男」と称賛したビッグプレーで流れを呼び込んだ。玉城は「ピッチャーも踏ん張ったので助けられて良かった」と笑顔を見せた。
 初戦で息詰まる接戦をものにし、當山は「苦しかったが勝てて良かった。一つ一つのプレーを大切に、挑戦者の気持ちを忘れずに挑みたい」と気を引き締めた。
(荒井良平)

◇きのうの結果
▽1回戦
宜野湾 8―2 宮古工
知念 6―3 向陽
 (延長十五回)
コザ 8―1 北中城
 (七回コールド)
北部農林 11―6 美里
中部商 8―4 球陽
那覇西 13―0 北谷
 (七回コールド)

◇きょうの試合
▽1回戦
【セルスタ】9時
西原―浦添工
小禄―本部
首里東―那覇商
【北谷】9時
普天間―那覇国際
浦添―沖縄高専
具志川―名護
【宜野湾】9時
宜野座―沖縄工
名護商工―開邦