比嘉(浦添)男子個人組手V 空手県高校選手権


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男子個人組手決勝 上段突きで4ポイント目を奪う浦添の比嘉康太(右)=12日、普天間高体育館(大城周子撮影)

 空手の県高校選手権大会は12日、普天間高体育館であり、個人組手は男子を比嘉康太(浦添)、女子を運天葉月(沖尚)が制した。同形の男子は平良眞太(沖尚)、女子は細田悠乃(開邦)が頂点に立ち、団体組手は男子前原、女子浦添がそれぞれ栄冠を手にした。

◆無欲の伏兵輝く 比嘉、強気貫き県初制覇
 男子個人組手決勝。優勝を決めた比嘉康太(浦添)を、仲間たちが試合場の外で拳を並べて祝福し、互いに笑顔をはじけさせた。ベスト4が目標だったという比嘉。「小学2年から空手をしているけど個人での県大会優勝は初めてでうれしい」。無欲の伏兵が、この日の主役に躍り出た。
 例えリードした場面でも引かずに攻めきる強気の姿勢が光った。準決勝で対戦した喜友名朝博(前原)は一度も勝ったことのない相手だったが、3―3の同点から終了間際に逆手の中段突きを決めて大金星。決勝では上段蹴りで3点を先制した後、判定をめぐって一時中断するアクシデントにも「集中を切らさなかった」と残り25秒でさらに上段突きを決めた。伊禮光国監督も「ワンツーで終わらず3本目までポイントをつなげたのが良かった。守りに入らず前にいっていた」と評価した。
 普段から気が付けば団体戦のオーダーを考えていたり、技のパターンを想像したりして「空手が好き」と笑う2年生。入学時に89キロあった体重を72キロまで絞ったことで動きに軽さと切れが生まれ、大振りせずコンパクトに技を出せるようになったという。「初優勝に満足せず、新人大会に向けてつくり直していきたい」と気を引き締め、「九州や全国でも上を目指したい」と背筋を伸ばした。(大城周子)