小禄(男子)那覇(女子)が頂点 県高校バスケ


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 バスケットボールの第58回全沖縄高校選手権大会決勝が13日、南城市玉城総合体育館で行われ、男子は小禄が84―82で興南を下して2年連続5回目の頂点に立った。女子は那覇が76―64で前原を制して3年連続5回目の栄冠を手にした。

2校は12月に東京で開かれる第46回全国高等学校選抜優勝大会(ウインターカップ)に出場する。

◆残り2分 地力の差/男子・小禄
 74―74。舞台は残り2分からだった。小禄が離しては興南が追いすがった大接戦の末、最終クオーター(Q)残り2分を切った直後に興南シュートが同点ゴールを揺らす。残り1分までに興南に2度の3点弾を許したが、積極的に切り込んで得た2度のフリースローで松田悠太郎が落ち着いて値千金の4点を加点する。残り37・7秒、同点のフリースロー2発を沈めた上良潤起がパスカットからコートを駆け抜け、レイアップシュートで一発逆転。最後は2点差、小禄が地力で逃げ切った。
 第2Qで13―24、第4Qでも14―23と難局に耐えた薄氷の勝利だった。相手の攻撃に積極的にプレッシャーを与えるリズムを作り、「気持ちを切らさず、行けるときは行こう」(源古隆コーチ)と臨んだ。
 池田祐一主将は「粘り強く守ってルーズボールやリバウンドを取る。しっかりした守りが次につながった」。
 右膝手術のため12月のウインターカップには出場できず、小禄ではこの日が引退試合となったセンターの松田。たびたびフリースローを沈め、シュートでも得点に絡んだ。「いつもはリバウンドからのパスだが、きょうは攻めた」
 元主将の上良はウインターカップに向け「挑戦者の気持ちを忘れず、小禄のバスケを全力で出し切る」と再びのチーム一丸を誓った。
(石井恭子)

◆我慢強さ勝利呼ぶ/女子・那覇
 那覇が2点差のリードで迎えた最終Q、ポイントガード具志堅茅乃が前原の頭上に放った3点弾が流れを決めた。やや劣勢だった序盤から追い上げ、終始1~2点差のシーソーゲームで那覇に食らい付いた前原だったが、具志堅の1投で6点差に開く。続くセンター外間瑞季の2連続シュートで流れを完全にたぐり寄せ、最終盤を集中力で制した。
 接戦は想定内だったという前原戦。チームディフェンスを徹底して当たった。積極的にリング下に攻め込んだことでフリースローの機会も多く着実に得点を積み上げた。励まし合いながら我慢を続けた司令塔の具志堅は「一番苦しいときにしっかり自分が点を取ろうと臨んだ」と振り返る。「オフェンスリバウンドがうまく取れていなかった」という外間も貢献の一心で臨み、仕事を果たした。
 屋嘉謙呉コーチは「何をやったらいいのか分からない場面がなかった。途中逆転されても焦らず、我慢強く続けた結果だ」と評価した。12月のウインターカップに向け、全国の高さに負けないチーム作りが待っている。

小禄―興南 試合終了直前、逆転のレイアップシュートを決める小禄の上良潤起=13日、南城市玉城総合体育館(花城太撮影)
那覇―前原 シュートを決める那覇の具志堅茅乃