沖縄観光を展望する座談会で議論を交わす沖縄観光コンベンションビューローの平良朝敬会長(左手前)、ウェルネスリゾート沖縄休暇センターユインチホテル南城の久山志信総支配人(左奥)、JTB沖縄の宮島潤一社長(右手前)、琉球大学観光産業科学部の下地芳郎教授(右奥)=17日、琉球新報社

 琉球新報社は17日、那覇市天久の本社に観光業界の代表や識者らを招き、アジア各国の観光に学び沖縄観光を展望する座談会を開催した。出席者は、目覚ましい経済発展を遂げるアジアを見据えた観光政策の展開や沖縄の優位性を生かした上で「健康」「学び」「交流」「体験」をキーワードにした新たな誘客活動、本島北部の交通インフラ整備などの提言が相次いだ。一方、米映画テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」の本島北部地区への進出については慎重意見が相次いだ。

 出席者は沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の平良朝敬会長とJTB沖縄の宮島潤一社長、ウェルネスリゾート沖縄休暇センターユインチホテル南城の久山志信総支配人、琉球大学観光産業科学部の下地芳郎教授の4氏。

 好調に推移するアジア観光の動向について4氏は、「今後も拡大していく」との意見で一致。平良会長は「アジアのダイナミズムを沖縄が取り入れるかが大事だ」と話した。下地教授は「投資が非常に積極的で国を挙げてインフラ工事を進めている」と沖縄との違いを指摘した。一方、宮島社長はアジア観光の中核施設のカジノについて「一過性」と指摘した上で、「町並みを大切に保存し、祭りを守って誘客することが重要だ」と話した。

 「健康」での観光誘致に必要なことについて、久山総支配人は「国内各地と競争している中で、沖縄はもうちょっと健康が簡単にチェックができ、ストレスがないような環境作りが大事だ」と指摘した。

 一方で、県内の観光業界が抱える課題について、久山総支配人は「台風などの外的要因があったとき、宿泊が全てキャンセルになって売り上げが取れなくなる」と述べた上で、経営の補填(ほてん)を目的にした「観光基金」の設立を求めた。

 USJの県内進出について、平良会長は歓迎の意向を示しつつも、本部町の国営海洋博記念公園への進出が予想されることには疑問を呈し「効果は未知数で、地域の文化を壊さず、既存のものを尊重しながらやっていく必要がある」とした。宮島社長は「経済波及効果や雇用効果が大きい」と指摘した上で「本島北部の交通アクセスができていない。今後、県とOCVBがトータル的な県全体発展のデザインを描いてほしい」と求めた。下地氏は「全体像が見えない。政府が先頭になって誘致するプロセスに非常に違和感がある」と指摘した。



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