前原、難敵・糸満下す 県秋季高校野球第3日


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糸満―前原 延長10回前原1死三塁、勝ち越しとなるスクイズを成功させる高江洲翔=19日、北谷公園野球場(金城実倫撮影)

 第65回県高校野球秋季大会第3日は19日、沖縄セルラースタジアム那覇などで1回戦8試合を行い、前原が延長十回の末、前大会準優勝で昨春選抜大会出場の糸満を3―2で破った。未来沖縄は昭薬付を5―2で下し、公式戦初勝利を挙げた。

那覇は豊見城に延長十回サヨナラ勝ちした。そのほか、豊見城南、南風原、陽明、真和志、久米島が2回戦に駒を進めた。20日の第4日は1回戦の残り7試合を行う。

◆前原、少ない好機ものに 決めた延長十回
 延長十回、先攻の前原は先頭の8番山根蓮太が右前打で出ると、代走に福原海斗を送る。犠打と暴投で1死三塁。打席の1番高江洲翔に2ストライクからスクイズのサインが出た。
 大川基樹監督は「チャンスはここしかない」と腹を決めていた。高江洲は「ここまで自分が打てていない外のスライダーで決めにくるだろう」とヤマを張った。三走の福原はスクイズを察知され、ボールを外されるのを防ぐため「相手投手が投げる体勢に入ってから走る」と備えた。
 次の球は狙い通り、外のスライダー。高江洲がきっちり投前に転がすと好スタートを決めた福原がタッチをかいくぐりながら本塁に滑り込み、貴重な勝ち越し点を挙げた(記録は野選)。ここまで数回、スクイズを失敗した糸満に対し、数少ないチャンスを確実にものにした前原が昨春の選抜出場校を撃破した。
 糸満との対戦にも「沖縄でもトップのチームと対戦できて、やりがいがある」(主将の平良竜哉)と臆することはなかった。五回途中からマウンドに上がった高江洲は「絶対に名前負けしない」と闘志を燃やした。再三ピンチを招きながら粘り強く投げ続けて勝利を呼び込み「強い糸満に勝ててうれしい」と笑顔がはじけた。(荒井良平)

◇きのうの結果
▽1回戦
那覇2―1豊見城
 (延長十回)
真和志5―2北山
久米島18―0具志川商
 (五回コールド)
豊見城南8―7那覇工
 (延長十回)
南風原12―6南部工
前原3―2糸満
 (延長十回)
未来沖縄5―2昭薬付
陽明6―5読谷
 (延長十四回)

◇きょうの試合
▽1回戦
【セルスタ】9時
首里―宮古
沖縄尚学―美来工科
沖縄水産―八重山農林
【北谷】9時
宮古総実―与勝
中部農林―石川
【宜野湾】9時
美里工―八重山商工
嘉手納―南部商・南部農林