社会

琉大に台風専門家2氏 研究拠点化に期待 地方大で唯一

ドップラーレーダーの前で気象について語り合う山田広幸准教授(左)と伊藤耕介助教=琉球大学

 琉球大学理学部物質地球科学科地学系に、山田広幸准教授(44)(メソスケール気象学)と伊藤耕介助教(33)(数値天気予報システム)の2人の台風の専門家がいる。同学部の古川雅英副学部長は「観測と数値シミュレーションの専門家がそろうのは国内の地方大学では琉球大学だけ」としている。今後、台風研究の拠点になると期待されている。

 山田准教授は海洋研究開発機構で研究員を務めた後、2012年8月に琉球大学に赴任。ドップラーレーダーを使って台風に電磁波を当て、返ってくる反射波から風や雨の強さを計る研究をしている。
 気象庁は衛星で雲の分布を調べて台風の強度を推定しているが、ドップラーレーダーでは強度をより正確に把握できる。一方で観測できる範囲が半径200キロ程度で高度2キロ以下の観測は難しいなどの点があるが、技術の向上は今後の研究に委ねられる。
 直近の台風の急速な発達の解析も行い、より正確な分析結果から防災への役割の期待も掛かる。山田准教授は「将来的に飛行機に乗せて観測するなど、台風の強さをよりよく推定できる手法を確立したい」と意気込む。
 伊藤助教は昨年4月から琉球大学に着任し、気象庁気象研究所予報研究部(茨城県つくば市)の客員研究員も務める。大気と海水の状態を考慮して台風の強度を予測する独自の「高解像度大気海洋結合モデル」の研究を進める。計算に時間はかかるが、気象庁の予報で使用するモデルより予測精度が高いという。
 同モデルはスーパーコンピューター「京」を使って計算するが、伊藤助教の研究は次世代のポスト「京」のプロジェクトにも指定されており、今後の開発に注目が集まる。伊藤助教は「予報研究の先端を目指す」と力を込める。
 山田准教授は「互いの研究を補完しながら、沖縄の気象研究を充実させていきたい」、伊藤助教は「今後5~10年後、どのような研究を目指すか議論していきたい」と話した。(金良孝矢)
英文へ→Two typhoon experts at University of the Ryukyus collaborate