【島人の目】レーガン再来なるか


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 ホワイトハウス奪還を目指し、ヒラリーとオバマという2大スターの活躍で勢いづく米民主党。一方で、これまで影の薄かった共和党に「新たな役者」が登場した。俳優で元上院議員のフレッド・トンプソン氏だ。
 人気テレビドラマ「法と秩序」の地方検事役で知られる同氏は、弁護士出身。1972年のウオーターゲート事件では、共和党首席調査官としてニクソン大統領を辞任へと追い込んだ。(当時、ヒラリーは民主党調査官だった)
 94年にテネシー州上院議員補選で初当選。人気議員だったが、娘の死をきっかけに2003年に辞職。最新世論調査では、公職から4年も離れているにもかかわらず支持率トップに躍り出た。
 同じ俳優出身のレーガン氏を思わせる、という点のほか、注目すべきは他候補者らと一線を画す政策の違いだ。
 リベラル系保守派のジュリアーニ氏らと違い、自らを正統派と称するトンプソン氏は、「妊娠中絶、同性愛者の結婚、銃規制すべて反対」という3種の神器に加え、イラク戦支持、不法移民には強硬策を、という姿勢を明確に打ち出し、保守層や宗教右派の間で支持を伸ばしている。
 映画「レッド・オクトーバーを追え」「ダイハード2」など、国家権力を背負う役柄がよく似合うトンプソン氏。果たしてレーガン再来なるか。
 来月の正式出馬表明を前に、存在感ある役者の登場に沸き立つ共和党陣営。さらに面白みが増してきた2008年の米大統領選だが、気になるのはゴア氏の動向だ。
(平安名 純代、ロサンゼルス通信員)