【島人の目】アルゼンチンの夏休み


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 いま世界はCO2(二酸化炭素)の増加で騒いでいる。毎日の新聞にもそのことが載らない日はない。しかし、人間に直接影響するわけでもないので、見捨てられているようだ。
 ところで、今年のアルゼンチンの気候はまさに異変を起こしている。昨年は80数年ぶりでブエノスアイレスに雪が降ったし、夏は30度を超す暑さが到来しているのだ。
 そうした暑さの中で、在亜沖縄県人連合会(米須清文会長)は2月1日から15日まで夏休みだ。
 アルゼンチンの夏休みは、12月半ばから翌年の3月いっぱいである。夏休みを大体12月から1月までに取る人は比較的裕福な階級で、2月はサラリーマンや零細企業の階級、3月は年金受給者が多い。
 そして期間は大概2週間程度だが、金持ちは2週間以上か、あるいは1カ月以上だ。
 日本みたいな夏休みとは全然違う。アルゼンチンのそれは、国民全体が休むのだ。だからブエノスアイレス市街の車は3分の1以下になるし、人間も少ない。
 それよりも一番の驚きは交通事故であろう。大体夏休みはブエノスアイレスから300キロから400キロあたりの海に行くが、その行き帰りの道路上で事故が多発する。新聞報道によると1月の事故件数は52件、負傷者206人、そして死者が114人にも上る。わずか1カ月でだ。何と恐ろしいことではないか。
(新垣善太郎、アルゼンチン通信員)