【キラリ大地で】ワシントンDC/安里逸子さん(58)名護市出身


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 2002年に渡米し、現在、ワシントンDC沖縄会の会長として活躍しているのが安里逸子さん。名護市出身の58歳。趣味は、遠距離ドライブと旅行。はつらつとした人柄が魅力だ。
 3年前、会長に就任した。「初めて連れて行かれた沖縄会で、いつの間にかその日のうちに会長に選ばれていた」と、その時の出来事を笑顔で話す。会長に選出されてからの3年間、奉仕の精神と数多くの実績が認められ多くの会員から高い評価を受けている。
 安里会長の魅力は、そのずばぬけた行動力である。沖縄会会長には、実に多くの人たちからさまざまな電話や相談が舞い込んでくる。
 沖縄から転居してきたばかりの県人の中には、知り合いもいない街での不安な暮らしの中で、沖縄会のことを聞き、わらにもすがる思いで会長宅に相談の電話をかけてくる方も少なくない。そんな人たちのために安里会長は、電話を受けた翌日には、もうその人に会い、いろいろとアドバイスをする。同世代の人たちを紹介したり、友人の輪を広げる機会をつくったり、アフターケアに努める。
 問題を抱えた会員にも、誠心誠意、問題解決のために尽力してきた。
 安里会長の実力は、会をまとめる手腕にもある。米国の県人会を見ると、とかく私情が入り、何かと問題が起き、分裂したりするケースも少なくない。
 しかし、安里会長は、常に中立の立場で、年齢に関係なく、幅広く付き合い、それぞれの意見を尊重し、会を一つにする。それぞれの地域連絡係とは、遠距離でも電話をかけてじっくり話をし、ネットワークを密にしている。
 地元沖縄の新聞社で長年にわたり、カルチャースクールの講座を企画し、いろいろな分野の人と接し、事務職をやってきた経験が、沖縄会の会長職にも生かされている。
 「沖縄会の役目は、沖縄の文化を伝えていく事も大切だが、まずは、一番分かり合える沖縄系人同士の相互支援が最も大事」と安里会長は強調する。
 また「沖縄会が故郷沖縄の情報の拠点になり、会員に情報を発信していくのも沖縄会の役目」と会の趣旨を語る。
 ワシントンDC沖縄会は今年創立25周年を迎える。現在、執行委員会と企画委員会が定期的にミーティングを開き、新春会でのプログラムの準備を着々と進めている。
 安里会長が沖縄会のために頑張れるのは、空軍を退役し、今、国防省と契約提携している会社でコンピューターのソフト開発を専門職とする夫・ブレインさんの支えと協力が大きな力となっているからだ。
 「会長を務め、たくさんの人たちと知り合いになれた。人生勉強させてもらっている」と語っている。
 (鈴木多美子通信員)