【島人の目】カーニバル


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 カーニバルといえばブラジルのリオのカーニバルが有名であるが、ドイツ・ラインランドのカーニバルも盛大である。
 前年の11月11日11時11分からカーニバルの時季は幕開けする。
 ハイライトはなんと言っても仮装・山車行列のある「バラの月曜日」。今年はイースターが早いので、2月4日に行われた。その前週木曜日の『女のカーニバル』から「灰の水曜日」前日までの6日間は、学校にも、仕事場にも仮装して行く人も多い。普段まじめなドイツ人からは想像できないことが起きる。
 「女のカーニバル」の日に男性がお気に入りのネクタイをして仕事場に行くと大変な目に遭う。大きなはさみを持った女性同僚や部下が待ち受け、ネクタイを容赦なくちょん切ってしまう。
 喜んでもらおうと、その日だけネクタイをしていく男性も多いが、男性のネクタイを切ることによって、男性社会への反逆を意味するとか。
 ハイライトの「バラの月曜日」の山車行列は、思い思いに社会・政治を風刺したものが多く、これを見るのは楽しい。
 その山車の上からキャンデーやチョコレート、花などがばらまかれる。大人も子供と一緒に、それを必死になって取り合い、持参した袋いっぱいに集める姿にいつも笑ってしまう。
 私が初めてデュッセルドルフの山車行列を見てびっくりしたのは、行列に参加している人だけでなく、道路脇の観客までが思い思いに、それも見事に仮装していることであった。この徹底ぶりにはいつも感心させられる。
(キシュカート外間久美子、ドイツ通信員)