【ブラジル】新たな資料を検討 「写真で見る移民100年史」編集委開く


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 ブラジル沖縄県人会(与儀昭雄会長)が移民100周年記念事業の一つとして編さんを進めている『写真で見るブラジル沖縄県移民100年史』の第10回編集委員会(宮城あきら委員長)が2月18日、ブラジル沖縄県人会館で開かれ、関係者から寄せられた新資料や写真の検討が行われた。
 「―100年史」は、写真を見て一目で分かる県人移民の歴史を日本語とポルトガル語で併記し、子孫へ残そうというもの。戦前の県人移民、移民空白期、戦後の県人移民の3部構成で全300ページ。来年2月に3000部を発刊予定で、会員らに無料配布される。
 編集委員会では、県人会員らに提供を呼び掛け、新たに集まった写真や資料が検討された。
 今回新たに提供されたのは、笠戸丸沖縄移民の指導者・城間真次郎さんがサントス港で下船の際に掲げたという日章旗、日系初の歯科医となった金城山戸さんの家族写真、1940年ごろに日本への国防献金を目的とした綿摘み写真(サンパウロ州チエテ移住地)、50年代の沖縄角力大会(パラナ州)、女子弁論大会(黎明植民地)の写真などが寄せられた。
 また、県国際交流・人材育成財団から派遣され、サンパウロ大学で沖縄移民の研究をしている比嘉梓さん(25)=南城市=は、祖父・具志堅武正さん=本部町出身=の残した写真を整理したアルバムを持参し、関係者を喜ばせた。
 委員会では、県人会の資料館にある写真や資料も含めて整理・検討していく方針だが、写真・資料提供は6月末が締め切り。引き続き関係者に協力を呼び掛けている。次回の委員会は3月18日に開く予定。
(与那嶺恵子通信員)