「希望は人を成功に導く信仰である」。スーパーチューズデー以来、9連勝を飾ったオバマ氏を見ていて思い出した、ある米事業家の言葉だ。
米メディアは、ケネディ、シナトラ、プレスリーといった伝説の人物たちと比べながら、オバマ氏の演説に酔いしれる米国民の姿を映し出し、アメリカに再び大旋風が吹き荒れていると伝える。政策の具体性欠如が指摘されながらも、人々がオバマ氏を変革の旗手と仰ぐのはなぜか。
答えを求め、ロサンゼルス市内のオバマ氏の選対事務所に行ってみた。ドアを開けた瞬間、若者たちの熱気が体中を包み込む。壁にはポップなデザインのポスターや標語が張られていて、若いボランティアたちが真剣なまなざしで討議している。
「支持する理由? 彼がイラク戦争に反対したから。経験は浅いかもしれないが、それは私たちも一緒。テロとの戦いで、反戦が口にできなかった時でも、彼は信念を曲げなかった。それこそ時代が必要としているもの」
アメリカに再び夢を、と人々のビジョンを高めながら、自身の夢に向かって突き進むオバマ氏。経済や外交政策は、その道のプロを登用して補うことも可能だが、人々のビジョンを高めることは、強い信念を持った指導者にしかできない。
「戦争は絶対に反対」という信条は、アメリカを新しい方向へ導く原動力へとつながった。変革を起こす用意はできたか。米国民の新たな問い掛けが始まった。
(平安名純代、ロサンゼルス通信員)
【島人の目】変革を起こす力
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琉球新報社
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