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高校生16人 将来ビジョン発表 浦添・JICA タイ派遣の成果報告


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【浦添】県主催の2023年度おきなわ国際協力人材育成事業(OICユース)の成果報告会が8月27日、浦添市前田のJICA沖縄センター体育館で開かれた。8月にタイへ派遣された県内の高校生16人が、事業で学んだことや、体験を通じて見つけた将来ビジョンを発表した。
 高校生は8月5日から7日にタイのコーンケーン、8日から11日にバンコクを訪れた。報告会では「医療・福祉」「貧困と教育」「環境」「産業」の四つの視点から、ホームステイの経験や、シーカーアジア財団で学んだスラム街での教育支援などを発表した。
 「産業」をテーマに発表したチームは、タイの地域産業の一つ、食用コオロギの養殖を紹介した。「後味はゆでたまごのようで意外と食べやすい。昆虫食は、村の復興にも役立てられている」とし、将来の食糧不足解消をはじめ、地域産業として高い可能性を秘めていることを説明した。
 現地で経験したタケノコ取りや、歓待や別れの思い出を愉快な寸劇で表現し、来場者を笑わせた。
 発表後、生徒は帰国後に起こしたアクションを振り返り、一人一人ボードを手に「グローバルに活躍する世界人」や「国境なき医師団の小児外科医」など自らの将来像を発表した。
 パネルディスカッションにはJICA沖縄の倉科和子所長が参加した。倉科所長は「柔軟に感じる心を持ち続けてほしい。人と交わることは自分の人生を豊かにする。人と取り組んだことは成果を大きくし、自身が想像していなかった結果をもたらしてくれることも感じただろう。(事業を通じ感じたことを)持ち続けて、この先も考えていってもらいたい」と語った。
 2部はうむさんラボの比屋根隆社長が「これからの沖縄を担う若者へ」と題して講演した。
 (藤村謙吾)
寸劇を交え、タイでの経験を発表する「おきなわ国際協力人材育成事業」の参加者=8月27日、浦添市前田のJICA沖縄センター体育館