地元食材で濃厚白湯 やんばるラーメン いぎみ(大宜味村)<うちなー味まーい>87


地元食材で濃厚白湯 やんばるラーメン いぎみ(大宜味村)<うちなー味まーい>87 やんばるで採れた食材を使った一番人気の鶏白湯ラーメンいぎみ
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 沖縄県大宜味村の塩屋漁港内に2021年2月に開業した「やんばるラーメンいぎみ」は、村産食材をふんだんに使った鶏白湯(ぱいたん)ラーメンを売りにする。地元住民や観光客も多数訪れる店内には、村の魅力を知ってもらおうと工芸品やイベントポスターが並ぶ。

 一番人気の鶏白湯ラーメンいぎみ(900円)のスープは、村内の養鶏場で育った親鳥と鶏ガラ、村内で採れた水のみを使う。店主の小林宏次さん(43)によると、親鳥は肉質がしっかりしている一方で余計な油分がない。村の水も琉球石灰岩の影響を受けていない甘い水といい、三種の具材で最大限のうまみを引き出し、濃厚かつ飲みやすく仕上げた。具材には鶏チャーシューとネギのほか、小林さんが国頭村の移住体験時に出合った豆腐店の豆腐も使っている。麺は小麦の風味があり、歯切れの良い、パン用の粉を使った特注品を県外から取り寄せている。

 小林さんは元々東京でラーメン屋を営んでいたが、沖縄への移住を考え、雰囲気が良かった大宜味村に移り住んだ。移住後、偶然知り合った塩屋の漁師から「販売できない魚で何かできないか」と依頼を受け、イベント時に天ぷらや魚を売る場所だった直売所で現在の店を開いた。

 こうした経緯から、観光客が多く訪れる土日には塩屋漁港で水揚げされた魚を使った「鮮魚ラーメン塩屋」(900円)を数量限定で提供している。小林さんは「ラーメンを通じて大宜味ややんばるの味を楽しんでほしい」と呼びかけた。妻のあかねさん(43)は「大宜味を知るきっかけの一つになれば」と願った。

 営業時間は午前11時半~午後2時。ラストオーダーは午後1時45分。定休日は火曜と水曜。問い合わせは電話070(3800)3210。

(武井悠)

店主の小林宏次さん(右)と妻のあかねさん=11日、大宜味村塩屋