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糸満大綱引、4年ぶり開催へ 実行委員会が地元中学生へ伝えた思い


糸満大綱引、4年ぶり開催へ 実行委員会が地元中学生へ伝えた思い 上原義隆さん(左端)から道ズネーでの太鼓のたたき方を教わる生徒たち=15日、糸満中学校
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 【糸満】糸満大綱引行事委員会の上原義隆副委員長(61)が15日、大綱引に関する授業を糸満市の糸満中学校で実施し、1年生214人に地域の伝統行事への思いを伝えた。今年の糸満大綱引は4年ぶりに、旧暦8月15日に当たる9月29日に実施する。

 糸満大綱引は県内三大綱引の一つ。五穀豊穣(ほうじょう)や大漁、無病息災を願い、北組(にしかた)と南組(ふぇーかた)に分かれて綱を引き合う。

 上原さんは7歳から54年間にわたって大綱引に携わってきた。授業では、長さ180メートルの綱を人の手だけで約4時間半かけて完成させることや、綱を固定するカヌチ棒は、乾燥して折れないよう2カ月前から嘉手志川の水に漬けることを説明した。

 生徒代表の4人に、道ズネーでの子ども楽隊「チンク隊」の太鼓のたたき方も伝えた。

 授業の最後に上原さんは「伝統行事を通じ多くの人と関わってきたことが、私の財産だ。糸満の伝統行事に興味を持ち、受け継いでほしい」と呼びかけた。

 1年の国吉逞さん(12)は「カヌチ棒は100年以上使われていると知り驚いた。大綱引では旗頭を持つ。けがなく楽しく、倒さずに持てるよう頑張りたい」と話した。
 (岩切美穂)