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しまくとぅばを映像と音で 沖縄ハンズオンがドキュメンタリー上映 継承へ小中高生バンドも結成


しまくとぅばを映像と音で 沖縄ハンズオンがドキュメンタリー上映 継承へ小中高生バンドも結成 しまくとぅばの普及のため練習に励む沖縄ハンズオンユース倶楽部のメンバーら=1日、北谷町ニライセンター
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【北谷】結成21年目を迎えた北谷町の沖縄ハンズオンNPO(安慶名達也理事長)がしまくとぅばの継承の重要性を映像と音でつづったドキュメンタリー「思事叶果報(うみじとぅかねぇがふう)」を、県内の高校や大学、自治体イベントなどで次々上映し反響を呼んでいる。

 ハンズオンは人材育成、社会貢献、起業教育を理念に掲げて活動しており、その中で近年はしまくとぅばの継承活動に力を注いでいる。特に若者により身近に感じてもらえるように、小中高生を中心にした三線、太鼓、ギター構成のバンド「沖縄ハンズオンユース倶楽部」を結成。沖縄民謡、わらべ歌はもちろん、人気の歌謡曲や洋楽も翻訳してしまくとぅばバージョンにし、その面白さ、ユニークさをアピールしている。

 今年2月に製作したドキュメンタリー映画上映に合わせて定番演奏されるのが「親加那志(うやがなしぃ)スクブンぬ歌」。倶楽部は同町ニライセンターで週1回、練習に励んでいる。

 高齢者顔負けのしまくとぅばを流ちょうに話す北谷高校2年で倶楽部会長の比嘉こはるさんは「しまくとぅばにはウチナーンチュの魂が詰まっている。勉強すれば若者も話せるようになる」と、関心の高まりに期待を寄せる。

 北谷第二小6年の久志果凛々(かりん)さんは「4年生から参加している。早くおじいちゃんらとしまくとぅばで話せるようになりたい」と頬を緩めた。創作劇や紙芝居、ラジオ番組でもしまくとぅばの大切さを伝えている。

 安慶名理事長は「しまくとぅばはウチナーンチュの歴史、文化、伝統芸能の基層をなす。世界に誇る言葉として普及活動を一日も緩めてはならない」とさらなる活動強化を見据えている。
 (岸本健通信員)