機体けん引車　女性初　石川、平田さん、夢実現　ＡＮＡ石垣空港所

　【石垣】ＡＮＡ石垣空港所で初めて女性の「プッシュバックドライバー」が誕生した。石川菜摘さん（２４）と平田美（み）海（うー）さん（２３）の２人だ。専用の大型けん引車を運転し、航空機を駐機スポットから安全に自走できる場所まで押し出し移動させる役割だ。全日空（ＡＮＡ）で女性のドライバーは那覇空港にこれまで３人だけで、男性が大多数を占める。今後、さらなる女性運転手の増加が期待される。２人は「やりがいがある仕事。男性にも負けない」と笑顔で語る。
　石川さんは中城村出身、平田さんは嘉手納町出身。同じ航空関係の専門学校を卒業後、２０１９年１０月に入社した同期だ。２人とも子どもの頃から憧れていた航空関係の仕事。体を動かすのが好きで、客室乗務員（ＣＡ）よりも主に空港の駐機スポットでの業務を担うグランドハンドラーに心を奪われた。入社後に大型けん引車を運転する先輩の姿を見て「格好いい」とプッシュバックドライバーを目指した。社内の訓練を経て資格を取得後、平田さんは７月から、石川さんが８月から運転業務を担っている。「夢がかなった」と充実感に満たされている。
　連日、日に照らされ雨風に打たれる、体力を必要とする仕事。何よりも常に安全最優先のため、緊張感が全身を包む。「イレギュラーな対応にも冷静に判断できるようにしたい」と石川さん。平田さんも乗客のいる航空機を押すので「責任がある。どんな時も冷静にやりたい」。心は熱く、頭は冷静に運転技術を磨き続ける。　（照屋大哲）
プッシュバックドライバーとして活躍する（左から）石川菜摘さんと平田美海さん＝１２日、新石垣空港