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健康と繁栄願い シニーグ 本部・具志堅 区民、出身者 神に踊り奉納


健康と繁栄願い シニーグ 本部・具志堅 区民、出身者 神に踊り奉納 ハサーギ庭でシニーグを踊る参加者ら=9日、本部町具志堅
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 【本部】本部町具志堅区(金城均区長)で9日、本部町無形民俗文化財の伝統祭事でシニーグが4年ぶりに行われた。神々に歌や踊りをささげ、健康や豊作、豊漁を祝い来年の豊作を祈願した。区民や県内の同区出身者ら約40人がシニーグを踊った。
 シニーグは神祭り舞い、または聖なる踊りの意で、具志堅のシニーグは旧暦7月25日に行われる。区の女性たちが紺地の着物を着けウシンチにして舞を奉納する。舞には拝み手、押し手など琉球舞踊の技の原型があり、具志堅のシニーグはよく保存されており毎年県内外の研究者が訪れる。
 当日は、シニーグ旗で神徳霊妙の旗を掲げた。紺地の着物を着けた女性たちは集落内を練り歩いた後、神々が降り立つとされる神ハサーギのある庭へ向かった。白い神衣装をした根神(ニガミ)と呼ばれる神人を先頭に女性たちは円陣を組んで琉歌を歌い踊りをささげた。
 県内の同区出身者らも集まり神酒(オミキ)も振る舞われた。
 同区では地域の住民に加えて県外から移住してきた女性たちも積極的に参加して伝統を受け継いでいる。
 根神の上間次子さん(73)は「具志堅出身で浦添市に住んでいる。小さいころからシニーグに参加していた。久しぶりに心が踊った」と喜んでいた。
 (上間宏通信員)

ハサーギ庭でシニーグを踊る参加者ら=9日、本部町具志堅