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絵本「南瓜姫」、南風原愛伝える 具志堅さん読み聞かせ 琉球箏の大城さんがBGM


絵本「南瓜姫」、南風原愛伝える 具志堅さん読み聞かせ 琉球箏の大城さんがBGM 絵本「南瓜姫」を作者の具志堅萌子さん(右)とBGMで琉球箏と三線を奏でた大城良紀さん=8月12日、南風原町の南風原文化センター企画ホール(提供)
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 【南風原】南風原のまちをこよなく愛し、魅力を発信している同町在住の具志堅萌子さん(39)の自作の絵本「南瓜姫(かぼちゃひめ)」の読み聞かせと、琉球箏の実演家で町職員として南風原町を盛り上げたいという大城良紀さん(30)の琉球箏の演奏のジョイントイベントが8月12日、南風原文化センター企画ホールであった。具志堅さんは自作の歌とダンスも披露し、“南風原愛”を存分に発信した。

 絵本「南瓜姫」は、琉球王国だったころの沖縄を舞台に、子どものいない夫婦が子どもを授けてほしいと井戸の神様に祈りをささげ、自分たちが育てた大きな南瓜から生まれた女の子の成長を描く。女の子は村の子どもたちとは見た目が少し違うという設定で、個性や多様性の大切さを伝え「あなたはあなた。大丈夫だよ」というメッセージも織り交ぜている。

 会では、具志堅さんが自作の絵本を読み、大城さんがBGMで琉球箏と三線を奏でた。約15分の大作にも関わらず、会場を訪れた幼い子どもたちも2人の世界観に引き込まれるように聞き入っていた。また、具志堅さんは同町のイメージキャラクター「はえるん」の非公式応援ソング「はえばる ツナガル 結いまーる」を作詞・作曲しており、振り付けも考案している。会場で応援ソングを披露し、観客は手拍子を送り、具志堅さんの手ぶりをまねるなど会を盛り上げた。大城さんは、琉球古典箏曲の中から「船頭節」の歌箏を披露した。

 具志堅さんの“南風原愛”はとまることを知らず、自作の歌や絵本に南風原のまちの魅力を込めて発信しているほか、昨年11月までは第32代琉球かすりの女王としても活動していた。

 具志堅さんは「絵本は自分の子どもたちに見せるために作ったが今回お披露目でき、ぜいたくな時間だった」と語り、今後について「絵本を製本して南風原町の子どもたちにまちの良さをいっぱい伝えていきたい」と話した。

 応援ソングを聞いて具志堅さんの熱意に引き込まれたという大城さんは「熱意がある人と一緒に走り、南風原町の可能性や挑戦できる選択肢を広げていきたい」と語った。

 非公式応援ソング「はえばる ツナガル 結いまーる」はユーチューブで視聴できる。

(中川廣江通信員)