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道ジュネー復活 地域に笑顔 豊見城団地 青年会 5年の休止乗り越え


道ジュネー復活 地域に笑顔 豊見城団地 青年会 5年の休止乗り越え 旧盆の中日に行われた豊見城団地青年会の道ジュネー=8月29日、豊見城市豊見城(提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【豊見城】豊見城市の豊見城団地青年会(榊直政会長、20人)が旧盆中日の8月29日に地域で道ジュネーを実施し、お年寄りをはじめ地域住民が大歓迎で迎えた。同青年会は5年間の活動休止を経て、2019年に復活した。道ジュネー再開を目指したものの、新型コロナの流行により実施できなかった。復活後初めてとなった道ジュネーの成功に、メンバーたちは大きな手応えを感じている。
 道ジュネー当日、沿道には地域の人たちが詰めかけた。青年会が踊りを終えて移動すると、後をついて来る人たちがいるほどだった。榊会長(25)は「ありがとうと声をかけられたのが一番うれしかった。クレームを心配していたが拍手をもらった」と振り返る。
 豊見城団地青年会は14年に活動を休止した。担い手不足を理由としていたが、実際にはそれだけではなかった。先輩によるゆがんだ支配、一部の人たちの飲酒による問題行動も重なり、地域の支援が得られなくなっていた。19年の復活時には豊見城団地自治会や若者の居場所づくりに取り組むNPO「あきづ」などがサポートし、過去の関係を断ち切った。
 青年会は地域の支援に行動で応える。深夜まで続いた道ジュネーの後には、成人メンバーで沿道を清掃。観客たちが残していったごみを片付けた。他にも敬老の日に合わせたイベントでは、団地のお年寄り宅を回り、音楽で感謝を伝えた。
 青年会は団地で育つ子どもたちの居場所にもなっている。あきづの理事長で自治会副会長の金城隆也さん(32)は「子どもが安心して楽しく過ごせる場所。エイサーを通して地域に顔が知られることで、地域の人から声をかけられる。それが子どもの自己肯定感を高めてくれる」と話す。
 団地で育った青年会副会長の伊敷美海さん(22)は「エイサーが好きで踊りたくて、青年会の復活を願っていた」と振り返り、「自分たちの踊りで、子どもたちがエイサーに興味を持ったらうれしい」と話した。
 道ジュネーが終わった今も週3回、団地集会所で練習する。10月1日には地域の商業施設イーアス沖縄豊崎で、同8日には豊見城団地まつりでエイサーを披露する。   (岩崎みどり)
旧盆の中日に行われた豊見城団地青年会の道ジュネー=8月29日、豊見城市豊見城(提供)