有料

小中生、サンゴの恵み体感 渡嘉敷 青少年交流の家 環境教育事業に22人


小中生、サンゴの恵み体感 渡嘉敷 青少年交流の家 環境教育事業に22人 スノーケリングでサンゴの生態などを学んだ参加者ら =16日、渡嘉敷ビーチ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【渡嘉敷】渡嘉敷村の国立沖縄青少年交流の家(山里望所長)主催の環境教育事業、美ら島サンゴ大作戦が16~18日、同交流の家本館、同キャンプ場(渡嘉志久ビーチ)、アリガー海岸、渡嘉敷集落史跡などで開かれた。県内の小学5年生から中学3年生まで22人が参加した。国立公園に指定されている慶良間諸島の豊かな自然の中で、マリン体験などを通して生物多様性や環境問題などについて学んだ。
 参加者の指導補助などは同所が招いた専門講師や交流の家職員、同ボランティアが務めた。
 初日は渡嘉志久ビーチ湾内でスノーケリングの基礎を学び、海中観察を行った。引き続きバスで渡嘉敷集落へ移動し、「サンゴと暮らし」と題し、地元のガイド講師の案内で渡嘉敷区の琉球王府時代の「根元船頭屋敷石垣」(村指定有形文化財)を見学した。サンゴ石灰岩の石垣、ヒンプン、倉庫、豚小屋、井戸などについてガイドの説明を受け、サンゴの恵みによる島の暮らしなどを学んだ。
 2日目は渡し船で渡嘉志久ビーチ近くのアリガー海岸へ移動してサンゴウオッチングを行い、慶良間海峡沿岸のサンゴ生態系などを観察した。また、慶良間諸島国立公園阿嘉島ビジターセンター「さんごゆんたく館」の谷口洋基館長が「サンゴの役割と生物多様性」について講話した。最終日は2日間学んだことのまとめの発表会や報告会を開いた。 
 参加者は、ケラマブルーの海に漬かり、スノーケリングでのサンゴ観察などに取り組み、環境問題への関心や自然を大切にする心、環境保全に寄与する姿勢などを育んだ。
 浦添市の昭和薬科大学付属中1年の西澤茉璃乃さん(13)は「昔から島の人びとの暮らしはサンゴの石垣など多くの動植物、自然環境と切っても切れないものだと分かった」、沖縄市の美原小5年の〓石歩夢さん(10)は「自然環境を守る大切さが理解できた」と感想を話した。 (米田英明通信員)
渡嘉敷集落のサンゴ石灰岩の石垣を見学する参加者=16日、渡嘉敷村渡嘉敷
スノーケリングでサンゴの生態などを学んだ参加者ら =16日、渡嘉敷ビーチ