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40年愛用ピアノがお引越し 宜野座 大嶺和枝さん、松田小に寄贈


40年愛用ピアノがお引越し 宜野座 大嶺和枝さん、松田小に寄贈 松田小学校に愛用のピアノを寄贈した大嶺和枝さん(中央)=9月15日、宜野座村の同校
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 【宜野座】宜野座村立松田小学校(松田和美校長)で9月15日、松田区潟原でピアノ教室を主宰する大嶺和枝さんからピアノが寄贈され、贈呈式が開かれた。
 寄贈されたピアノは、大嶺さんが40年前に那覇市の楽器店で購入したアトラス社製。これまで大嶺さんの引越しに伴い2度「転居」したが、「3回目の引越しで、息子たちの母校である松田小学校に落ち着いて、うれしいです」と感慨無量の様子だ。
 40年もの間、1200人もの生徒が演奏し、大嶺さん家族を見守ったピアノ。「今思えば、生徒さんを泣かせた時もあったが、皆の人生にピアノが寄り添って生きてくれている」と懐かしんだ。
 炎天下、ピアノの輸送には役場関係者ら10人が担い、ピアノの重量に作業は難航したが、無事に松田小学校の光あふれる吹き抜けのホールに落ち着いた。かつて、北部工業高校の生徒が学園祭で使用した際には、30人の生徒で運んだというから驚きだ。
 贈呈式では、児童会長の松田羽琉真(はるま)さんが代表して「大嶺さんが40年大切にしてきたピアノを、僕たちが大事に、上手に使って後輩たちにつないでいきます」とお礼のあいさつ。6年生の山内菜緒さんが大嶺さんと一緒に「かえるのうた」を連弾すると皆は歓喜した。
 大嶺さんは「たくさんの方々のお力添えで、ピアノに第2ステージをいただき、感謝します。児童が気軽にピアノに触れ、音楽の素晴らしさを感じる、心豊かな人に成長するお手伝いができたら、ピアノも幸せだと思います」とお礼を述べた。
 6年生の米須清瑛さんは「僕も大嶺さんにピアノを習いたい」と瞳を輝かせ、ピアノに興味を示した。
 (池辺賢児通信員)

松田小学校に愛用のピアノを寄贈した大嶺和枝さん(中央)=9月15日、宜野座村の同校