【沖縄】沖縄市立郷土博物館の市民講座「わらべ歌と子どもたちの暮らし」が9月10日、同館であった。受講生は貴重な音源のわらべ歌を楽しみながら、70~90代の幼少時代の暮らしに思いをはせた。
今ではあまり歌われなくなったわらべ歌。市教育委員会は20年ほど前から、子どもたちの生活や世相、歴史などの記録保存に取り組んでいる。明治期後半から戦前にかけてのわらべ歌を知る世代から聞き取り、民俗音楽専門家の協力で譜面に起こしてきた。
八田夕香学芸員は「驚くほど、歌をかなり記憶している人もいた。多彩な内容。前任担当者らの精力的な調査のたまものだ」と強調。わらべ歌は「子守り歌」「あやし歌」「手遊び歌」「教訓歌」などに分類されると紹介した。
その歌唱者は約270人、採集歌は千件を超えた。この間、選別して地域ごとに八つの報告冊子を発行、本年度で事業は完結の予定だ。
八田学芸員は「多くの市民に貴重な文化を知らしめるため普及版冊子が可能か検討課題がある」と指摘した。受講生には7冊のわらべ歌冊子が配布された。
保育園でわらべ歌を指導しているという比嘉文子(74)さんも「しまくとぅば普及との関連でもわらべ歌を身近なのにしたい、冊子は市民の財産」との感想があった。(岸本健通信員)
わらべ歌を貴重な文化として継承すべきとの感想が上がったわらべ歌博物館講座=9月10日、沖縄市立郷土博物館
発行された8冊のうちの「山内・諸見里 わらべうた」
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わらべ歌「貴重な文化」 沖縄市で講座 博物館が調査報告
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琉球新報朝刊
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