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在来カブトムシ育て 命学ぶ 沖縄イチムシ会 豊見城小で訪問授業


在来カブトムシ育て 命学ぶ 沖縄イチムシ会 豊見城小で訪問授業 沖縄固有種で絶滅が危惧されるオキナワカブトムシの幼虫を受け取る豊見城小3年の児童たち=9月20日、豊見城市高嶺の豊見城小学校
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 【豊見城】豊見城市立豊見城小学校(佐久本広志校長)の3年生(116人)を対象に、沖縄の固有種で絶滅が危惧されるオキナワカブトムシについて学ぶ授業が9月20日、同校で行われた。沖縄在来の小動物を飼育などする「沖縄イチムシ会」(座間味眞会長)が講師となり、幼虫を児童一人一人に提供した。来年6月ごろ成虫になるまで、児童たちが飼育する。
 イチムシ会は、オキナワカブトムシを通して沖縄在来の生物や命の大切さを知ってもらおうと、学校などを訪問し、教室を開いている。
 同日の教室には副会長の國仲康浩さん(65)ら会員5人が参加。國仲さんが、オキナワカブトムシの体や成長の特徴を紹介した。「タイワンカブトムシは繁殖力が強く、1年を通して成虫を見ることができる。しかしオキナワカブトムシは6月から2カ月ほどしか見られない」などと話した。「地球上で沖縄にしかいなくて、絶滅が心配されている生き物だ。責任を持って大切に幼虫を育ててほしい」と呼び掛けた。
 児童たちは、イチムシ会がおがくずと米ぬかを混ぜて作った「飼育マット」をケースに敷き詰め、幼虫を受け取った。授業を受けた川平陸人さん(9)は「オキナワカブトムシが絶滅しそうなことを勉強して、もっと知りたいと思った」と話した。玉城七星さん(9)は「初めて育てるので頑張りたい」と話した。 (岩崎みどり)
沖縄固有種で絶滅が危惧されるオキナワカブトムシの幼虫を受け取る豊見城小3年の児童たち=9月20日、豊見城市高嶺の豊見城小学校