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タイ料理で「島むに」学ぶ 沖永良部・和泊町 レシピから読み解く


タイ料理で「島むに」学ぶ 沖永良部・和泊町 レシピから読み解く パッタイを手にする参加者ら=9月16日、和泊町和泊の和泊町保健センター
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 【沖永良部】和泊町和泊の和泊町保健センターで9月16日、「島むに」(同島の方言)を覚えながらタイ料理のパッタイを作るイベント「タイ料理教室with島むに」があった。同島で島むにの継承活動に取り組む田中美保子さんが主催し、大人11人と子ども6人が参加した。
 日本学術振興会・東京外国語大学特別研究員でタイ語やタイ文化に精通する富岡裕さんを招き、「タイでは4つの調味料を使って自分好みに味付けする」など、タイ文化や島むにを紹介しながらパッタイのレシピを説明した。
 島むにを覚える工夫として、田中さんがパッタイのレシピの一部を穴あき状態にして、参加者らは島むにで書かれたレシピから読み解いた。
 タイ料理と島むにを組み合わせた理由について、富岡さんは「7月にタイの言語研究者のスミットラ先生が来島して意見交換した中で、島むにを座学で覚えるより、参加者自身が聞いたり使ったりする方が定着しやすいのではという話し合いがあったことから企画した」と語る。
 9月に和泊小学校とタイの小学校のオンライン交流が決まっていたため、タイ料理になったという。「田中先生に『タイ料理を作ったらどうか』と提案された。タイの文化に触れることで、自分が住んでいる島にはどんな言葉や文化があるのか振り返る機会になれば」と期待を込める。
 参加した鈴木水美(ゆみ)さんは「以前食べたパッタイの味が忘れられず、自分でも作ってみたいと思い参加した。島むにも、料理をしながらちょっとずつ触れてみると、座学で学ぶよりも面白い。『ふみ』という、米の意味である島むにが印象に残った」と話した。
 (ネルソン水嶋通信員)
参加者らが作ったパッタイ
パッタイを手にする参加者ら=9月16日、和泊町和泊の和泊町保健センター