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下地島空港周辺地 引き渡し1年延長 県が住民説明会


下地島空港周辺地 引き渡し1年延長 県が住民説明会 下地島空港周辺用地利活用第3期事業に関する説明会に参加し、県担当者の話に耳を傾ける農家ら =宮古島市伊良部の伊良部公民館
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【宮古島】県はこのほど、宮古島市伊良部の伊良部公民館で、県が進める下地島空港周辺用地利活用第3期事業についての説明会を開いた。県は、県用地を無償で使用している農家に明け渡し期間が2024年3月末から25年度3月末に延長になったことを伝え、すみやかな引き渡しを求めた。
 同空港と周辺の土地を巡っては、下地島訓練飛行場建設に伴い、1971年に琉球政府が下地島地主会から買い取った。その確認書では、買い取った土地を建設で使用するまで無償で耕作を認め、明け渡しに伴う補償は行わないとした。
 同事業では、観光リゾートゾーン279ヘクタール、農業的利用ゾーン85ヘクタールが設定されており、活用する事業者との契約が遅れていることから、明け渡しの時期が1年延長したと説明した。
 県有地で耕作している参加者からは「土地を失うことは農家にとって死活問題になる」と強調し、県に計画の再考を求めた。別の男性は「観光リゾートゾーン279ヘクタールの中に、農業ゾーンを設けて、農家の生活の基盤が成り立つようにしてほしい」と訴えた。県は「持ち帰って議論の材料にしたい」と述べるにとどめ、従来の方針を保持した。 (友寄開)
下地島空港周辺用地利活用第3期事業に関する説明会に参加し、県担当者の話に耳を傾ける農家ら =宮古島市伊良部の伊良部公民館