県道251号(通称パイプライン)沿いの「とんかつの店かつ家」は昭和53年(1978年)創業で、学生からお年寄りまで地域の人々に親しまれる人気店だ。町田哲代表(74)が仕込んだかつは衣はサクサク、肉はジューシー。オリジナルブレンドのソースを付けて一口食べれば、口当たりの良さも相まってごはんが進む。
町田代表は久米島出身。南部農林高校を卒業し、友人に誘われ東京の会社に就職するも、料理好きが高じて19歳で上野のとんかつ屋に弟子入り。20代半ばで沖縄に戻ってからはホテルの料理人として働いた。しばらくして独立し「かつ家」(旧称「かつ亭」)を開いた。
開店当初からのこだわりは、サクサクとした食感を生み出す大粒のパン粉とソースだ。ソースは煮込んだ野菜や果物、泡盛などを混ぜた独自の一品。まろやかで、さっぱりとした味わいに仕上がっている。かつを揚げる油はコレステロールゼロのキャノーラ油を使用し、体にも優しい。県産ブタのおいしさを知ってほしいと「山原豚」と「やんばるあぐー」も扱う。肉はどれも包丁で丁寧に繊維が切られており、柔らかく食べやすい。
かつ一筋45年。厨房(ちゅうぼう)に立ち続ける町田代表は、常連客や従業員に感謝しつつ「女房のおかげ」と妻・玉枝さんへ感謝の思いを口にする。「お客さんが『おいしかったよ』と笑顔で帰ってくれるのが生きがいかな」と、今日も厨房で腕を振るう。
営業時間は午前11時から午後9時。午後8時半ラストオーダー。正月と旧盆の時期以外は営業。金曜日は定食100円引き。学割あり。座敷あり。問い合わせは電話098(878)4930。
(藤村謙吾)