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共同店発祥の地で設立117周年でお祝い 「共同一致の精神で」 豚料理と伝統舞踊も 沖縄・国頭村奥


共同店発祥の地で設立117周年でお祝い 「共同一致の精神で」 豚料理と伝統舞踊も 沖縄・国頭村奥 「奥育ち」の舞踊を披露する女性たち
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【国頭】共同店発祥の地と言われる国頭村奥区で9月28日、復興祭と共同店117周年記念式典が奥集落センターで開かれた。区民らが早朝から豚肉料理を準備し、各家庭や案内客に配布した。参加者らは沖縄伝統の豚料理を味わいながら、舞台の余興を楽しんだ。他の集落からも多くの人が出席し交流した。

 舞台の幕開けで金城より子老人会長が「かぎやで風」を披露した。乾杯の音頭を新城力男共同店理事長が高らかに発声、会場内からも元気な声が響き大きな拍手が起こった。

 余興では奥小学校の児童6人が元気で勇壮なエイサーを披露した。古くから奥集落に伝わる復興祭の歌・踊りとして、奥区と縁のある「奥育ち」を崎原美智子さん、平良友里恵さん、宮城五月さん、赤嶺郁代さん、菅野美千代さん、大岩夕貴さんの6人が息の合った舞踊で披露した。「奥育ち」の演奏は唄・三線ともに区民が担当した。

エイサーを披露する奥小学校児童ら=9月28日、国頭村の奥集落センター

 字誌「奥のあゆみ」(1986年発刊)には復興祭について、10月の行事として「この日は本来は共同店のお祝いであるが、終戦後、部落民が収容先から部落へ帰ってきた日を記念日として、戦後の部落復興記念日とした」と記されている。

 宮城一剛区長は「奥共同店の117年という長い歳月には幾多の苦難があったが、奥の先人たちは共同一致の精神で、常に心を一つに理想郷奥村づくりを目指してきた。私たちも次代を担う後輩たちに伝えたいと思う」と述べた。宮城文雄共同店主任は「先輩たちが頑張ってきて今の共同店が成り立っている。共同店運営は苦しいこともあるが、先輩たちをたたえる意味で現在も頑張っている状況だ」とあいさつした。

 (新城高仁通信員)