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白ひげ姿は20年のベテラン、娘婿も初舞台 「長者の大主」「松竹梅」など多彩に 国頭・伊地区豊年祭4年ぶり 沖縄


白ひげ姿は20年のベテラン、娘婿も初舞台 「長者の大主」「松竹梅」など多彩に 国頭・伊地区豊年祭4年ぶり 沖縄 国頭村伊地区豊年祭、最初の演目「長者の大主」 =9月23日、国頭村伊地区のアサギマー
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

【国頭】旧暦の8月9日に当たる9月23日、国頭村伊地区(小浜良彦区長)で隔年で開催される豊年祭が集落のお宮、アサギマーであった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止が続いたが、4年ぶりの開催となり、五穀豊穣(ほうじょう)と区民の繁栄を祈願した。
 「長者の大主」「伊地の氏神(うじがみ)様」などの舞台に多くの人々が見物に訪れてにぎわい、地域伝統文化芸能を堪能した。
 最初の演目「長者の大主」で、白いあごひげ姿で大主役を演じた古堅宗元さん(67)は、今回を含めて20年間務め、他の踊りを含めると約35年間出演しているベテラン。古堅さんは孫(マーガ)の大役を務めた山川史優菜(しゅな)さん(国頭中3年)、金城花寧(はなね)さん(国頭中1年)、湧川松広さん、約3年前に村内から伊地区に移住し、初めて出演した娘婿の山城弘輝さんとの息もピッタリの元気な姿で演技を披露した。
 前回、30年ぶりに復活した、古くから同区に伝わる舞踊の型の「松竹梅」が今年も披露された。豊年祭踊りの指導者であり、前回に引き続き踊った梅役の平安香代子さん、初めて踊った金城美樹さん、湧川文香さんに大きな拍手が送られた。
 子ども会、老人会、成人会、婦人会・若葉会などが一緒になり、それぞれの演目で舞台を盛り上げていた。滑稽踊りの余興も飛び出し会場から大きな笑い声と拍手が沸き起こった。長年伊地区の地謡を務めてきた島勉さんは、92歳と高齢ながらも今年も元気な姿で、唄・三線の役目をしっかり果たしていた。
 小浜区長は「コロナ禍の状況下で、区民で開催するかどうか議論した。開催が決まったのが8月で練習期間も少なかった。区民が練習に打ち込んで立派に仕上がった。本当に感謝している。高齢化が進み継続には難しいこともあるが、若い人たちの積極的な参加を願いたい。来場のみなさんゆっくり楽しんでください」とあいさつした。
 (新城高仁通信員)