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生誕85年 金城哲夫の魅力語る 「ウルトラマン」「吉屋チルー」上映 出身の南風原でイベント


生誕85年 金城哲夫の魅力語る 「ウルトラマン」「吉屋チルー」上映 出身の南風原でイベント 金城哲夫生誕85周年記念スペシャルイベントで、「吉屋チルー物語」について語る玉城優子さん(左)と真喜屋力さん
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 【南風原】「ウルトラマン」シリーズの脚本を手掛けた金城哲夫(1938~76年)の「生誕85周年記念スペシャルイベント」が9月23、24の両日、出身地の南風原町で開かれた。町観光協会が主催。会場の町立中央公民館では、金城が自主制作した映像作品「吉屋チルー物語」や、「ウルトラマン」シリーズの作品の上映、最新のウルトラマン「ウルトラマンブレーザー」のショーなどがあった。2日間で1200人が来場した。

 同会場で展示会もあり、金城の活動を伝える資料やシナリオ、ウルトラマンに関する書籍などが展示された。上映された「吉屋チルー物語」は、金城が、特撮の円谷プロ入社前の63年に自主制作した。沖縄の役者たちが出演し、しまくとぅばで語っている。上映作品には日本語の字幕が付いた。

金城哲夫生誕85周年記念スペシャルイベントで展示された、ウルトラマンのシナリオなど貴重な資料=23日、南風原町立中央公民館

 上映後には、ライターの玉城優子さんと映像作家で映画監督の真喜屋力さんによるトークショーがあった。真喜屋さんは、チルーと男たちの歌会シーンを紹介し「チルーは上句で流れに浮かぶ桜の花を詠んだ。遊女である自分のことだ。これに男たちは『カニが食べてしまう』『流れ流れて唐へ行く』と面白おかしく下句を詠むが、それも遊女の境遇を表している」と説明。「しかし仲里里之子は『すくってあげよう』と歌った」と話した。玉城さんも「シナリオがしっかりしている」と作品の魅力を語った。

 このほかに、脚本家の故上原正三との合作の一つ、ウルトラマン第8話「怪獣無法地帯」も上映された。
  (岩崎みどり)

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