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来年4月 拠点開設、通信で教育課程 名護で保育士資格取得


来年4月 拠点開設、通信で教育課程 名護で保育士資格取得 保育学科通信教育課程の設置へ協定を結んだ渡具知武豊名護市長(左)と昼間一彦三幸学園理事長=9月29日、名護市役所
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【名護】保育士不足が課題の名護市に、保育士養成の拠点「小田原短期大学名護スクール」が2024年4月に開設される。神奈川県の小田原短期大学保育学科の通信教育課程で、対面授業(スクーリング)は市立東江幼稚園で実施する。市は「中南部に転居せず、名護にいながら資格を取得できるようになる」として、待機児童解消へ期待している。
 短大を運営する学校法人三幸学園(東京都、昼間一彦理事長)と名護市(渡具知武豊市長)が9月29日、市役所で施設利用のための協定を結んだ=写真。昼間理事長は「社会人でも資格取得しやすく、費用が安く済む」などと利点を強調した。同様の施設は県内2例目。
 幼稚園教諭免許を取得するには2年間で学費約70万円、保育士資格取得には3年間で約80万円を要する。自宅などで学習し、年に20~30日必要な対面型の授業は土日祝日に東江幼稚園で受講する。1学年20人程度の入学を予定する。
 市や県の調査によると、23年4月現在の名護市内の待機児童は56人で、保育士は60人が不足している。市は2年間勤務で最大30万円を支給する事業や試験対策講座などの保育士確保策に加え、今回の開設で保育士流出に歯止めをかけたい考えだ。
 渡具知市長は「長期的な観点から保育士を増やし、安心して預けられる環境づくりを目指したい」と述べた。