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知念区の「けんか綱」迫力満点 樽酒かけて力込め、地面に綱をたたきつける 5年に一度の大綱曳き 沖縄・南城市


知念区の「けんか綱」迫力満点 樽酒かけて力込め、地面に綱をたたきつける 5年に一度の大綱曳き 沖縄・南城市 綱を地面にたたきつけるように勝負する知念区大綱曳き=9月24日、南城市知念字知念
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【南城】南城市知念の知念区で豊年祈願と厄払いで区民の健康、団結を図ろうと9月24日、第5回大綱曳きが実施され、大勢の区民をはじめ市民らが参加して引き合い、盛り上がった。5年に1度開催されている。2003年度にふるさと文化再興事業として45年ぶりに復活させ、今回で5回目となる。與那城真栄区長を委員長に知念区大綱曳き委員会を結成。綱の元わらは金武町から取り寄せ、2カ月かけて1本28メートルの大綱2本を仕上げた。

 集落内で銅鑼(どら)や太鼓をたたいて道ジュネーを終え、会場の知念農村広場に集結した。支度3人が大綱にそれぞれ乗って対峙(たいじ)する中、與那城区長の代表あいさつに続いて、南城市の古謝景春市長が来賓祝辞を述べた。

 しばらくガーエーをした後、クベーマ組の稲福隼人さんが、今年トーカチを迎える糸数幸雄さんがたたく銅鑼に乗せて力強い棒術「知念ヌ棍」を演舞。その勢いでヒラナカ組と第1回目の大綱曳きが開始され、クベーマ組が勝った。

綱曳きの途中、清め酒としてまいて一層力を付けようと置かれた酒が入った樽

 知念大綱はけんか綱と称され、そばに置かれた樽(たる)酒(清め酒)をかけ合って綱曳きに一層力を入れるといわれるほど激しい。綱曳き歌もあり、1番目に「ちなん ひーちまかちようー もいん(ガーエー) もいんまーかーち ヒヤサイ ヒヤサイ」と競い、喜ぶ歌になっている。

 「祈平和」「招豊年」の旗頭を掲げて2回目の綱曳きが始まった。お互い負けてはならぬと樽酒をかけて勢いを付け引き合い、逆にヒラナカ組が勝利を収めた。

 今度はヒラナカ組の具志堅善輝さんが棒術「大屯棒」を演舞。銅鑼鉦(かね)担当の糸数さんの活躍に、稲福さん同様に観客から大きな拍手が送られた。

 (知花幸栄通信員)