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十五夜に伝統の舞披露 豊見城・保栄茂 6年に一度 卯年豊年祭


十五夜に伝統の舞披露 豊見城・保栄茂 6年に一度 卯年豊年祭 区民らに奉納舞踊が披露された卯年の豊年祭=1日、豊見城市保栄茂の保栄茂馬場
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 【豊見城】豊見城市の保栄茂自治会(當銘正彦自治会長)は1日、旧暦8月15日に合わせて6年に一度の卯年豊年祭を行った。奉納舞踊として「長者の大主」を字の拝所などで披露した。最後は自治会館のある保栄茂馬場で、舞踊と「御願綱引き」を行った。馬場には多くの区民が集まり奉納舞踊を観賞した。
 豊年祭は、区民の無病息災や農作物の豊作などを願う。特に保栄茂の「巻ち棒」は県を代表する伝統芸能として人気が高いが、今回は新型コロナ感染症の感染拡大を防ぐため実施されなかった。當銘会長はあいさつで「自治会では行事の在り方について、区民や各種団体などから意見を聞いてきた。今回は御願、奉納舞踊、御願綱引きのみになった」と報告した。
 奉納舞踊は四季口節(クドゥチ)、コティ節、長刀(ナジナタ)、釵(サイ)、段ぬ棒(ダンヌグサン)の四つの舞で構成。馬場では老人踊りが加えられた。選ばれた区民10人は途中で大雨に見舞われながらも、各奉納場所でそれぞれの舞を見事に演じた。
 今回、演舞前に各踊りの歴史や意味などが説明された。事前調査と説明を担当した広報委員会の當銘弘秀さん(53)は「由来などを知ることは、伝統行事として受け継いで後世に正しく伝えるのに役立つだろう」と話した。
 若い女性2人が明るい衣装と舞を見せるコティ節は仲村夏帆さん=伊良波中3年=と當間和日葉さん=同2年=が担当した。「伝統を次の世代に残すことができてよかった」「6年ぶりの地域行事に参加できてよかった」などと話していた。
 (岩崎みどり)
区民らに奉納舞踊が披露された卯年の豊年祭=1日、豊見城市保栄茂の保栄茂馬場