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息合った「五福の舞」に拍手 国頭・奥間 4年ぶり豊年祭、18演目堪能


息合った「五福の舞」に拍手 国頭・奥間 4年ぶり豊年祭、18演目堪能 「五福の舞」を踊る(左から)座安寿さん(竹)、橋口邦子さん(亀)、玉城理恵さん(梅)、座安あずささん(鶴)、座安俊夫さん(松)=9月29日、奥間地区公民館広場
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 【国頭】国頭村奥間区(山川泰志区長)の公民館広場で9月29日、豊年祭が開かれた。新型コロナウイルスの影響で中止が続いたが、今回4年ぶりの開催となった。同区では旧暦の十五夜に大綱曳きと交互に開催している。「長者の大主」から「五福の舞」までの18演目に、子供会から大人までの多くの区民が集い盛り上げた。村内各地からも見物客が訪れ伝統芸能を堪能した。
 23日には、奥間から分かれて集落が形成されたといわれる桃原区金萬神社で、奉納舞踊や獅子舞酒御願(サキウガン)があり、五穀豊穣(ほうじょう)、無病息災、子孫繁栄を願った。
 最後の演目「五福の舞」は、松(座安俊夫さん)、竹(座安寿さん)、梅(玉城理恵さん)、亀(橋口邦子さん)、鶴(座安あずささん)の5人が、息の合った華麗な踊りを見せた。終盤に5人の扇子がそろい一瞬、踊りの動きが止まる場面では大きな拍手が送られた。
 「長者の大主」の孫役を演じた久保田万稀さん(29)は、2年半前に県外から移住した。母親の故郷で初めての出演に「かぎやで風」まで踊り、役目を終え安心した表情を見せた。久保田さんは「母の故郷で初めて踊る地域の芸能は、うれしい半面、不安もたくさんあった。指導した方や応援してくれた人々のおかげで自信を持って踊ることができた。これからも奥間の伝統を守っていけるよう頑張っていきたい」と話した。
 山川区長は「先人たちが長い歴史の中で残したこの宝物を風化させることがないよう、未来へとつないでいきたい」とあいさつした。 (新城高仁通信員)
「五福の舞」を踊る(左から)座安寿さん(竹)、橋口邦子さん(亀)、玉城理恵さん(梅)、座安あずささん(鶴)、座安俊夫さん(松)=9月29日、奥間地区公民館広場