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ウミガメの産卵巣 児童ら体感 国頭村 第2回「くんじゃん山学校」


ウミガメの産卵巣 児童ら体感 国頭村 第2回「くんじゃん山学校」 産卵巣から脱出したウミガメの卵の殻を示して説明する嘉陽宗幸さん(右)=9月23日、国頭村謝敷海岸
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 【国頭】国頭村教育委員会は、村在住の小学生とその保護者を対象に参加を募集し「くんじゃん山学校」を開催している。年5回のプログラムで、世界自然遺産に登録されたやんばるの森や海について学んでいる。
 同事業を受託する一般社団法人やんばるビジョン(国頭村辺土名)は「自然の中で遊びを通して楽しく体験してやんばるの自然を学ぶ」プログラムを計画。9月23日は今年2回目となる「やんばるの自然海編~やんばるの海を想う~」を国頭村謝敷海岸と辺土名地区公民館で開いた。長年ウミガメの保護活動に取り組んでいる自然公園指導員の嘉陽宗幸さん(70)を講師に招いた。
 約15人の参加者は、謝敷海岸を散策しながら、ウミガメの産卵場所、産卵巣の保護対策などを観察。9月16日に70匹前後のアオウミガメが生まれた産卵巣から卵の殻を取り出して状況を確認した。
 嘉陽さんは、長年の保護活動の経験から産卵は村内西海岸が多いこと、2013年をピークに産卵が年々減少傾向にあること、海岸の砂の減少による産卵場所の環境変化などを説明した。参加児童の一人は、産卵巣に片足を入れ「深い。びっくりした」と驚きの表情を見せた。
 沖縄の海に生息するアオウミガメ、アカウミガメ、タイマイの3種類の剥製が展示されている辺土名地区公民館では、甲羅や体の特徴の違い、それぞれの卵の大きさや特徴、産卵後に涙を流す生態などの説明があった。参加者は、グループに分かれて学んだことや感じたことを和気あいあいと話し合った。
 佐藤勇希さん(奥間小学校4年)は「初めて卵の殻を持たせてもらった。初めて聞いた話もいっぱいでとても勉強になった」と笑顔で話した。
 参加した保護者からは「調査の膨大さに驚いた」「海の見方など楽しみが増えた。息子たちと一緒にまた楽しみたい」などの感想があった。
 (新城高仁通信員)
辺土名地区公民館で剥製を見ながらウミガメについて説明を聞く参加者
産卵巣から脱出したウミガメの卵の殻を示して説明する嘉陽宗幸さん(右)=9月23日、国頭村謝敷海岸