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「腹取り速攻」同士激突 シーの一番 29日、地区対抗闘牛 石川ドーム


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「腹取り速攻」同士激突 シーの一番 29日、地区対抗闘牛 石川ドーム 強襲荒虎
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 地区対抗闘牛大会(具志川・胡屋闘牛組合主催、琉球新報社共催)が29日午後1時から、うるま市石川多目的ドームで行われる。入場料は男性2500円、女性2千円、中高生千円、小学生以下は無料。注目のシーの1番は、元中量級チャンピオン南星阿炎と、徳之島代表の新鋭牛強襲荒虎が激突する。中農13期大樹、天心嵐はデビュー戦。

 シーの1番、南星阿炎は代名詞ともいえる「腹取り速攻」を武器に多くの強豪牛を撃破し、勝負を決める豪快な決着シーンで多くのファンを引き付ける人気牛だ。徳之島では2019年1月に中量級王者に輝き、21年5月には階級を上げ、当時の全島一王者牛若赤丸とのタイトルマッチの経験もある。

 牛若赤丸との敗戦を機に沖縄へトレードされ、沖縄初戦は楓天龍に43秒で勝利、続く神風ガン太には1分7秒で勝っている。22年5月の春の全島大会で中量級王者刃誡皇に挑戦すると得意の腹取り速攻で刃誡皇を蹴散らし、わずか52秒で王座をものにする。

 同年11月の秋の全島大会で初防衛戦を柿乃花ホワイトフェイスと対戦したが、いつもの勢いがなくわずか27秒であっけなく敗走し王座陥落となる。豪快な決め技とは裏腹に、戦意にむらがあるのが南星阿炎の難点だ。

 対する強襲荒虎は赤と黒のまだら模様でいわゆる「トラムクー」と呼ばれる体毛を持ち、横開きのヒラ角から腹取り速攻を得意とする。また、父親が現徳之島全島一王者黒龍王という優良血統だ。9月にデビュー戦を竜輝赤桜(元・盛アコー)と対戦し1分4秒で勝利している。両牛の得意技腹取り速攻は一撃で勝負が決まる大技なだけに、どちらが勝つにしても短期決戦となるのではないだろうか。果たして「速攻対決」の軍配はどちらに上がるのか。

(平川智之通信員)