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平和の尊さ深く刻む/南風原町慰霊祭


平和の尊さ深く刻む/南風原町慰霊祭 南風原町の平和の日に合わせて開催された慰霊祭=11日、南風原町兼城の慰霊祈和の塔
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 【南風原】南風原町が独自に定める「町民平和の日」(10月12日)に合わせ、同町の慰霊祭(南風原町遺族会主催)が11日、同町兼城の慰霊祈和の塔で行われた。遺族や町職員、町内小中学校の児童生徒の代表ら55人ほどが参列し、同町で沖縄戦の犠牲になった3505人の戦没者らを慰霊し、恒久平和の誓いを新たにした。
 町遺族会の赤嶺和雄会長(80)は「戦後生まれの町民が人口の9割に達し、戦争の体験と記憶の風化が危惧される。あらためて戦争の悲惨さと平和の尊さを深く心に刻む必要がある」とあいさつ。赤嶺正之町長も「南風原村の4割以上が犠牲となり、遺族の心痛は大きなものがある。戦後78年たった今も米国軍基地が大きな課題になっている。平和の尊さを発信していく必要がある」と述べた。
 慰霊祭に参加した、南風原中学校3年の金城育実さん(15)は「きょうは参加できて良かった。戦争体験者が高齢となり、実際に経験を聞く機会が少なくなっている。私たちが重みのある言葉を伝える側になれるよう学んでいく必要があると思った」と話した。 (岩崎みどり)

南風原町の平和の日に合わせて開催された慰霊祭=11日、南風原町兼城の慰霊祈和の塔