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黄金森公園に体育館計画 南風原町、29年度 初の住民説明会 予算規模に懸念も


黄金森公園に体育館計画 南風原町、29年度 初の住民説明会 予算規模に懸念も 黄金森公園屋内運動施設の基本計画について行われた住民説明会=17日、南風原町立中央公民館
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【南風原】南風原町(赤嶺正之町長)は2029年度の供用開始を目指し、黄金森公園に屋内運動施設の建設計画を進めている。17日、建設の基本計画と都市計画変更に関する住民説明会を町立中央公民館で開いた。同施設は公園東側の農地2.6ヘクタールに概算事業費53億円で建設予定。説明会には赤嶺正之町長、新垣吉紀副町長らが出席した。住民は約70人が参加、予算の大きさに「町財政と見合わないのではないか」などの懸念が相次いだ。
 町の基本計画によると、運動施設は1階にメインアリーナ、トレーニングルームや会議室、2階にサブアリーナ、千席程度の観客席、ランニングコースなどを有する体育館。建設面積は約6500平方メートル、延べ床面積は約8千平方メートル、300台分の駐車場などを想定する。施設の建設、維持管理、運営では、民間の資金や経営能力、技術を活用する「PFI方式」を検討している。23、24年度でPFI方式導入の可能性を調査し、事業者の選定などを行う。25年度から測量・土質調査などを行い、早ければ26年度にも着工する。
 基本計画はことし3月に発表され、今回初めて住民説明会を実施した。参加住民からは「トップリーグの活躍を子どもたちに見せたい」など賛同があった。一方で「将来的に子や孫の負担になる」「人件費、資材高騰の影響でさらに事業費が増えるのではないか」などの懸念が多く出た。
 事業費に関して、新垣副町長は2分の1を公園整備に係る国庫補助を活用できることを説明し、残りも他の国庫補助メニューの活用、PFIで民間の資金調達も検討する考えを示した。「今後、町の人口と財政に見合った規模、建築方法を考えていく」と話した。
 赤嶺町長は、1990年の公園の整備事業にも体育館の計画があったが、他の施設整備などを優先してきたと経緯を説明。「そろそろ建設していいのではと公約に掲げた。2020年に検討委員会を立ち上げて議論してきた」と話し、撤退はないとの姿勢を強調した。 (岩崎みどり)
黄金森公園屋内運動施設の基本計画について行われた住民説明会=17日、南風原町立中央公民館