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農業挑戦「第二の人生」謳歌/沖縄市の崎間さん/宜野座で果物や野菜栽培


農業挑戦「第二の人生」謳歌/沖縄市の崎間さん/宜野座で果物や野菜栽培 宜野座村松田区で憧れの農業を開始した崎間富義さん=9日、宜野座村松田区の農園
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 【宜野座】宜野座村松田区の、まるで大地と空と海が融合したような美しいやんばるの原風景が広がる約6,600平方メートル(2千坪)の農園の一画で、沖縄市在住の崎間富義さん(74)が憧れの農業をスタートした。宜野座の地で信頼のおける農業仲間と知り合い、充実したセカンドライフを謳歌(おうか)中だ。
 農業初心者の崎間さんだが、50代の頃から「定年後は農業を楽しみたい」と、農業への憧憬(しょうけい)を募らせていた。
 今年1月、本紙に掲載された新里博伸さん(松田区)の「レンタル畑」の記事と写真に魅せられ即座に行動。新里さんから330平方メートル(100坪)の農地を借り受けた。バナナ、パパイア、アボカド、唐辛子を栽培し、苗を植えたばかりのサニーレタスは、保護のためにペットボトルで囲う工夫も凝らす。農薬を使用しない有機栽培だ。
 8月の台風6号でバナナは全滅状態になったが、わずか2カ月で5メートル以上に成長したバナナの生命力に驚き、農業の醍醐味(だいごみ)を感じた。畑主の新里さんの農地も譲り受け、規模は広がる一方だ。
 当初は自給自足の農業で良かったが、新里さんらのアドバイスもあり、農業の技術向上へと、道の駅などへの出荷を目指している。
 平日は「沖縄市シルバー人材センター」で働き、週末に泊まりがけで宜野座村に通う。若い頃は自動車整備業の傍ら、駅伝やマラソンもこなした崎間さん。農業に取り組むと、不思議と慢性的な体の不調が改善、宜野座村の風光明媚(めいび)な自然環境でジョギングを再開した。来年のおきなわマラソン出場に意欲を燃やす。
 宜野座村への移住も検討中で「今が最高に楽しみな日々だ」と快活に語った。 (池辺賢児通信員)

宜野座村松田区で憧れの農業を開始した崎間富義さん=9日、宜野座村松田区の農園