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「自分らしさ、いつか気付く」/浦添・港川中 城間さん、多様性語る


「自分らしさ、いつか気付く」/浦添・港川中 城間さん、多様性語る 自身の経験から個性を大事にして生きる大切さを語る城間勝さん=9月22日、浦添市の港川中学校
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 【浦添】浦添市市民部市民協働・男女共同参画課が9月22日、浦添市の港川中学校で2年生約210人を対象に、性の多様性啓発講座を開いた。性自認が男女どちらでもないXジェンダーの「まぁ~ちゃん」こと城間勝さんが「多様な性を考える~自分らしさを輝かせて~」と題し、講話した。
 城間さんは、地域のお年寄りにかわいがられる中で身に付けた方言や、男性らしくない言動をきっかけに、小中学校で壮絶ないじめを受けた。小学校の担任から「あんたがこんなしているから」と責められ、中学の担任には「自身で努力して治さないと」と、病気扱いされた。
 中学3年生のとき、後輩が学校のベランダから飛び降りようとする場面に遭遇し、慌てて止めた。理由を聞くと、成績が落ち込んだことを保護者にとがめられ、絶望したという。城間さんは「自分の中で限界を決めたらもったいない」「可能性を見つける手段として学んでいる」「身近な人を大事にすることだけは忘れてはいけない」と、必死に説得し後輩を思いとどまらせた。
 この出来事をきっかけに気持ちを切り替えた城間さんは、読谷高校への進学を決意した。高校では個性を認めてくれる同級生に恵まれ、自信を取り戻した。「自分らしさを今見つけようと言っても、難しいと思う。今、気付かなくても、何かのきっかけで気付く。だから(現状に)ふてくされるようなことはしないで、一歩一歩、前に進んでほしい」と呼びかけた。
 講演の最後には仏教の言葉で「桜梅桃李(おうばいとうり)」を紹介。「(これらの花は)咲く時期や場所が変わっても、咲くだけで、場が華やかになる。いろいろな出会い、場所に花が咲く可能性が秘められている」と話し、困っている人がいれば声をかける大切さを説き、締めくくった。 (藤村謙吾)