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星座伝承、各地の呼び名紹介/那覇/ほしぞら公民館が特別投影


星座伝承、各地の呼び名紹介/那覇/ほしぞら公民館が特別投影 プラネタリウム100周年記念投影で解説に聞き入る来場者たち=21日、那覇市まきし駅前ほしぞら公民館
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 【那覇】プラネタリウムが生まれて100年を記念した特別投影が21日、那覇市牧志駅前ほしぞら公民館であった=写真。北海道から沖縄の離島まで日本各地で星の呼び名の聞き取り調査をしている星の伝承研究室主宰の北尾浩一さんを講師に招き、沖縄の星空を投影しながら各地に伝わる星の呼び名などを紹介した。北尾さんは「星の呼び名から多様な島々の暮らしや文化が見えてくる」と強調した。来場した約80人は映し出された星々を見つめ、思いを巡らせた。
 北尾さんによると、時計がなかった時代には、止まらない星で夜間の時間を知り、プレアデス星団やオリオン座の三つ星、明けの明星などを目当てに、さまざまな星の名が誕生したという。
 宮古島で広く歌われていた神歌「ニーリ」には、秋の四辺形からプレアデス星団などの6時間にわたる星の出に関する歌が残る。この日は、移りゆく星座を投影しながら、多良間島で島の人が歌う様子を録音した音源も紹介した。
 夏の星座で知られるさそり座アンタレスは、波照間島で酔っ払い星を意味する「ビタコリブシ」と呼ばれていたという。アンタレスは釣り竿を持ってウナギを釣る漁師で、酒を飲んで顔を赤らめている様子を表した。
 北尾さんは、各地で明けの明星の古い呼び名を聞いた人からの情報提供も呼び掛けた。
 プラネタリウムは1923年にドイツで生まれ、世界中に広がったが、日本では各地に多く設置された「プラネタリウム大国」として知られている。同公民館プラネタリウムでは、100年事業として開催した。 (慶田城七瀬)